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日本代表 6年前

ファルカオすら沈黙、昌子源の勇敢さと大胆さ。“下っ端”から新たなDFリーダーの誕生へ【ロシアW杯】

ロシアワールドカップ・グループリーグH組第1節、日本はコロンビアと対戦して2-1の勝利を手にした。この試合では、当初スタメン見られていた槙野智章ではなく昌子源がCBとして先発した。そして、昌子は相手のエース、ラダメル・ファルカオを封じるという大仕事をやってのけた。(取材・文:元川悦子【サランスク】)

text by 元川悦子 photo by Getty Images

驚きの抜擢。与えられた任務は“虎”の封印

昌子源
日本代表の昌子源【写真:Getty Images】

 2018年ロシアワールドカップの日本代表の運命を大きく左右すると言われた19日の初戦・コロンビア戦。サランスクのモルドビア・アレナでキックオフ1時間前に配られたスタートリストに驚きの選手起用があった。吉田麻也とともに最終ラインを統率すると見られた槙野智章ではなく、昌子源がスタメンに抜擢されたのだ。

「今週の練習でずっと僕はスタメン組に入っていたので準備はしていました。どうしてもこういう舞台になると、下っ端って言ったらヘンだけど、みんなにすごい気を使われる。『思い切って』とか『大丈夫』みたいなことを言われました」と本人も苦笑する。

 それでも昌子には、2位に入った2016年12月のFIFAクラブワールドカップ、あるいはロシア切符をつかんだ2017年8月の最終予選・オーストラリア戦(埼玉)といった大舞台の経験値がある。この日のスタンドはコロンビアサポーターが圧倒的に多く、黄一色と言ってもいい状況だったが、それを意識せずに凄まじい集中力でゲームに入った。

 背番号3に託された仕事はもちろん「エル・ティグラ(虎)」の異名をとる相手のエースFWラメダル・ファルカオを徹底的につぶすこと。

「ファルカオはかなりサボっているように見えて一番大事なところには絶対にいる人」と同じフランスリーグで戦う酒井宏樹が言えば、国際経験豊富な吉田も「足元に入るところに関しては非常にファウルを奪うのがうまい選手。注意しなければいけなかった」と警戒心を露わにしていた。その情報を自分なりに整理して戦ったことが、昌子の気迫あふれるプレーにつながった。

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