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日本代表 6年前

ファルカオすら沈黙、昌子源の勇敢さと大胆さ。“下っ端”から新たなDFリーダーの誕生へ【ロシアW杯】

text by 元川悦子 photo by Getty Images

スタジアムで観戦の父も合格点

「前に行こうとしたら急に裏に変えてきたり、前でクサビをもらって全然当たってないのに倒れたりする。そういうことをするからホンマに気を付けないといけないと思っていた」と語る本人も、確実に背番号9について行き、体を寄せて危険な場面を作らなかった。その的確な反応とスピード、寄せの激しさ、そして安定感は日本の最終ライン4枚の中でも特に秀でたものがあった。

 圧巻だったのは、後半14分にハメス・ロドリゲスが出てきてからのカウンターを確実に封じたこと。終盤の時間帯はカルロス・バッカも入ってきて、コロンビアのタテへの推進力は非常に高まった。

 後半45分には左から上がったヨハン・モヒカからのクロスにファーサイドから飛び込もうとしたファルカオより一歩前にポジションを取って頭でクリア。大きなピンチになりそうな場面を未然に防いでみせた。この場面を乗り切れなかったら、日本は2-1で逃げ切れなかった可能性もゼロではない。

 こうした勇敢さと大胆さが昌子の持ち味だ。それを終盤の一番タフで厳しい時間帯に出し切れたのは、彼自身にとってもチームに大きな意味を持つ。実際にスタジアムで観戦した兵庫県サッカー協会技術委員長を務める父・力さん(姫路獨協大学監督)も「意外に落ち着いてやれたと思う」と息子のパフォーマンスに合格点を出していた。

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