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日本代表 6年前

俺たちフロンターレ育ち。三好康児と板倉滉、武者修業で掴んだ自信と共鳴する日本代表への思い

text by 舩木渉 photo by Getty Images

板倉滉が仙台で手にした自信

 すると昨季とは状況が一変する。2人とも北の新天地ですぐに定位置を掴み、それぞれのクラブでチームの勝利に欠かせないピースとなっていく。三好はミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任した札幌で2シャドーの一角に入りアジア大会直前まででリーグ戦17試合に出場。板倉は仙台の3バックの左ストッパーに定着し、負傷離脱した期間を除いてリーグ戦15試合に出場していた。

 板倉に関して言えば、プロ入りから昨季までの3年間でJ1リーグ戦の出場はわずかに7試合しかなかった。その急激な成長ぶりは誰の目にも明らかで、本人も「とにかくああやって試合に出してもらっているので、毎試合毎試合自分のできることが増えていくし、自信にもなるし、その自信から試合中に余裕もできてきている。試合に出続けることの大切さをすごく感じています」と自らの成長を実感している。

 昨季まではセントラルMFでの起用も多く、板倉はよく「チームでも結構ボランチをやっていることが多いので、そこで勝負したい気持ちがある」と言っていた。だが、当時のフロンターレの中盤には大島僚太やエドゥアルド・ネットと不動の2人が君臨し、時に中村憲剛や森谷賢太郎が起用されるなど、厚い壁が立ちはだかっていた。

 仙台に移籍した今季、渡邉晋監督から任されたのは3バックの左ストッパーだった。そこでは持ち前の対人の強さだけでなく、ビルドアップにおける高い能力も存分に活かされた。攻撃の起点として常に視野を広く確保し、次の一手につなげるパスを供給していく。試合を重ねるごとに自信を深めていく。

 さらに森保監督も、アジア大会のU-21日本代表で板倉を3バックの左ストッパーに据えた。初戦のネパール戦、途中出場でピッチに送り出された背番号4は、巧みにボールを引き出しては確実に捌き、停滞しがちだったパスワークのテンポを変えていった。

「仙台ではいまずっと3バックの左をやっているので、やりやすさはすごくありますね。そこに自分が入ったとしたら、相手の動き、全体を見ながらどういう流れで進んでいるのか、相手の動きを見ながらやれればいいかなと思っています」

 第2戦のパキスタン戦はキャプテンマークを巻いて3バックの中央に入った。4バックでも3バックでも、そしてボランチでも対応できる。仙台でコンスタントに出番を得るようになって深まった自信を、しっかりとピッチ上に還元できるようになってきている。

「どこに入っても常に判断早く、頭のスピードを早くしてやらないといけないと考えています。(最終ラインの)左に入っても、真ん中に入っても、(中盤で)ボランチに入っても、自分の役割はまずそこで潰しにかかるというところは常に求められると思うし、ビルドアップのところももちろん出していきたい」

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