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日本代表 4年前

日本代表、背番号5の系譜。ワンダーボーイから長友佑都まで、指揮官と確固たる信頼関係を築いた選手たち

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

日韓W杯

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ベルギー戦の先発メンバー

監督:フィリップ・トルシエ
戦績:ベスト16

背番号5:稲本潤一(アーセナル)
生年月日:1979年9月18日(22歳)
個人成績:4試合出場/2得点0アシスト

 ガンバ大阪のアカデミー出身の稲本潤一は、1997年の開幕戦に17歳6か月という若さでJリーグデビューを飾った。黄金世代の中心選手として世代別の日本代表でも活躍し、99年にワールドユース、2000年にはシドニー五輪を戦っている。この年の2月のA代表でもデビューすると、同年のアジアカップ優勝や翌年のコンフェデレーションズカップにも出場し、チームに定着した。

 22歳になる直前、01年夏にアーセン・ベンゲル監督率いるアーセナルに期限付き移籍をする。しかし、欧州屈指の強豪で出場機会を得るのは容易ではなく、プレミアリーグでの出場はゼロ。それでも、ワールドカップ本大会に向けてフィリップ・トルシエ監督の信頼は揺るがなかった。

 初戦のベルギー戦、稲本は戸田和幸と中盤の底で並んで先発している。57分に先制を許したが、直後に小野伸二のフィードに抜け出した鈴木隆行がつま先でボールを押し込んで同点に追いつく。さらに67分、味方からのパスを受けた稲本はワンタッチで相手をかわし、思い切りよく左足を振り抜いてゴールネットを揺らした。稲本の逆転ゴールで初勝利に近づいた日本代表だったが、75分に失点を許して引き分けた。

 前半をスコアレスで折り返したロシア戦は、後半早々に試合が動いた。低い弾道の中田浩二のクロスを柳沢敦がダイレクトで落とすと、これを受けた稲本が冷静にシュートを決めた。稲本のゴールを守り抜いた日本代表は初勝利を手にしている。

 チュニジアを2-0で下した日本代表は、グループステージを突破した。ラウンド16ではトルコと対戦したが、ミスから失点を喫して敗れている。稲本は4試合すべてに先発して2ゴールを挙げ、日本代表躍進の立役者となった。

 稲本はジーコジャパンでも黄金の中盤の1人としてプレーしていたが、負傷などもあって出場機会は減っていった。それでも、ワールドカップにはドイツ、南アフリカと3大会連続出場を果たしている。

●ベルギー戦の先発メンバー

▽GK
楢崎正剛

▽DF
松田直樹
森岡隆三
中田浩二

▽MF
市川大祐
稲本潤一
戸田和幸
小野伸二
中田英寿

▽FW
鈴木隆行
柳沢敦

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