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Jリーグ 3年前

杉本健勇、復活の雄叫び。マリノスで取り戻したゴールの感覚、大逆転優勝へのキーマンとなるか?【コラム】

text by 舩木渉 photo by Getty Images

復活を期して決断したマリノス移籍



 マリノスに加入した直後の取材では、不退転の決意を口にしていた。レッズでは2年半でリーグ戦わずか6得点と苦しみ、今年に入ってからはデンマーク人FWキャスパー・ユンカーの台頭もあって存在感が希薄に。そんなタイミングでFWオナイウ阿道が退団したマリノスから声がかかった。

「もちろんゴール取り続けたい。その気持ちがなかったらもう辞めていると思うので、復活して、もう一度日本代表にも戻りたい。今は可能性は低いですけど、コツコツやるしかないし、結果で示すしかないと思う。マリノスでこうやってチャンスをもらったので、ここで活躍したいなと思います」

 対戦相手としてマリノスを見ていて、自分のプレースタイルと「合っている」感覚はあった。「自分が点を取れていた時はどんどんサイドから崩すことで多くのチャンスを作っていたので、マリノスはそういうところが自分の感覚として『あるな』と思って、(移籍を)決断しました」と杉本は話していた。

 加入から約3ヶ月がたち、先発起用の機会は少ないものの249分間の出場で3得点を挙げている。1得点あたり83分と、効率よく結果を残せているのは間違いない。今季のレッズではリーグ戦16試合762分間の出場で2得点だったことを考えれば、現在の得点ペースとは雲泥の差だ。

 レッズ時代になぜ結果を残せなかったのか。「もちろんチームにフィットすることであったり、チームの戦術であったりもあると思います。でも、一番悪いのは自分自身やと思いますよ。自分の力のなさを痛感していましたし、そこは俺が悪いなと思います」と杉本は語っていた。

「サッカーはチームスポーツなので、1人がよくても勝てないし、点を決められないので。出られない時は自分のせいと思いつつも、この2年半はいろいろな思いがありましたし、これは俺にしかわからないですね。俺の気持ちは俺にしかわからないし、まして俺がその気持ちを話しているわけではないので(みなさんは)わからないと思いますけど、結果を残せなかったのは自分。全部が自分だと思います」

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