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Jリーグ 2年前

「僕は幸せだなと思う」。柿谷曜一朗の華麗なゴールは「ドラマ的に言うと…」。あこがれ続けた大久保嘉人への想いとは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

大久保嘉人に触発された柿谷曜一朗



 今季セレッソとは2勝1敗。直近の10月30日のYBCルヴァンカップ決勝では2-0で勝利していて、いい感触も残っているはずだった。しかしながら、この日の相手は目の色が違っていた。

 約2か月ぶりにスタメンに抜擢された大久保もキレキレで、グイグイとゴールに迫っていく。開始早々の8分には早速、守護神・ランゲラックと1対1になる決定機を迎える。13分、16分にも立て続けにゴール前に飛び出すが、これも決めきれない。それでも「絶対に仕留めてやろう」という先輩の野心は同じピッチ上の柿谷にも伝わったに違いない。

 それに触発されたのか、柿谷は26分に初シュートを放つ。左から崩した流れでシュヴィルツォフがボールを失いかけたところで、こぼれ球を拾った背番号8は右足を一閃。強烈な一撃はGKキム・ジンヒョンに阻まれたが、一瞬のひらめきと得点感覚は大いに光っていた。

 ここまでの名古屋は守勢を余儀なくされている。マッシモ・フィッカデンディ監督も途中から柿谷と前田直輝のポジションを入れ替えるなど打開策を探っていた時間帯だっただけに、この一発が突破口になりそうな予感も漂った。だが、結局、前半は押し込まれたままスコアレスで終了している。

「プレッシャーをかけようと思っても、間に立たれたり、相手がポジションチェンジをしてきて、プレスがはまらなかった」と稲垣祥も苦渋の表情を浮かべたが、0-0で折り返せたのは救いだった。

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