浦和レッズがあらゆる面で上回った。意地と葛藤、大一番で輝いた背番号3の本音とは…【コラム】

2021年12月13日(Mon)10時19分配信

シリーズ:コラム
text by 元川悦子 photo Getty Images
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「打った瞬間に入った弾道が見えた」



 序盤こそセレッソに押し気味に試合を進められた浦和だが、20分を過ぎたあたりからハイプレスが機能し始め、じわじわと支配率を上げていく。球際や寄せ、攻守の切り替えで相手を上回った彼らは非常にいいペースで試合を運んだ。

 宇賀神と明本考浩が縦関係を形成した左サイドも効果的な攻めを何度も披露。明本が相手の背後に飛び出すことで、セレッソの松田陸・坂元達裕コンビのよさを出させない形に持ち込むことができた。

 そした前半29分。彼ら2人が先制点に絡んで見せる。右サイドの関根貴大が敵陣深い位置まで持ち込み、クロスを上げたのが始まりだった。このボールはファーに流れ、明本がシュートを狙うが空振り。そこで再びキープし、ペナルティエリア外側にいた宇賀神に戻した。

 この時、背番号3の前には広大なスペースがあったが、誰一人マークがついていなかった。自分の存在価値を示したい男が選択するのはシュートしかない。次の瞬間、右足を一閃すると、名手のキム・ジンヒョンも反応できない豪快弾をゴール右隅に突き刺したのだ。

「自分のところに来る前に反対側でオフサイドっぽいシーンがあって、それを取られるのかなと思ってリラックスできました。明本がわざと空振りしてくれたのも大きかった。打った瞬間に入った弾道が見えましたね」

 宇賀神は笑顔で得点シーンを振り返った。2018年天皇杯決勝・ベガルタ仙台戦を筆頭に、このようなゴールを彼は埼玉スタジアムで幾度ともなく奪い続けてきた。「負ければ退団」というプレッシャーのかかる試合で再びそれをやってのけるとは、本人も想像していなかっただろう。

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