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平塚に帰ってきた曺貴裁、「ここに至るまでの時間に対する答え」とは? 深々と頭を下げ続けた952日ぶりの凱旋【コラム前編】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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明治安田生命J1リーグ第4節、湘南ベルマーレ対京都サンガF.C.が12日に行われ、1-1の引き分けに終わった。2019年10月に湘南の監督を退任し、昨季から京都を率いる曺貴裁監督がかつての本拠地に戻ってきた。志半ばでチームを離れた指揮官は、2年半ぶりの凱旋に何を思ったのだろうか。(取材・文:藤江直人)


952日ぶりに帰ってきた曺貴裁

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【写真:Getty Images】

 アウェイチームの監督から順に臨んでいく試合後のオンライン会見を終えると、京都サンガF.C.を率いる曺貴裁監督は慌ただしく会見場を飛び出していった。

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 向かった先はしかし、京都のロッカールームではなかった。湘南ベルマーレのホーム、レモンガススタジアム平塚のピッチを、万感の思いを抱きながら踏みしめた。

 まずメインスタンドへ。次にバックスタンドへ。そして、ハーフウェイラインを超えてからはゴール裏へ向かって、数秒間にわたって深々と頭を下げ続けた。

 湘南のトップチームコーチとして3年間、そして監督として7年半あまりにわたって、喜怒哀楽を刻み込んできたスタジアムを訪れるのは、2019年8月3日の鹿島アントラーズとの明治安田生命J1リーグ第21節以来、実に952日ぶりだった。

「入っていくロッカーの位置を、間違えないようにしようと思っています」

 当時のShonan BMWスタジアム平塚から名称が変わった。自らもアカデミーの指導者を含めて15年も所属した湘南の一員ではなく、12年ぶりのJ1復帰を果たした京都を率いている。それでも変わらぬ思いがあると、曺監督は湘南戦を前に語っていた。

「湘南時代は河川敷のグラウンドで非公開練習を行う状況が難しいというか、いろいろな方が気軽に来られる場所で、たくさんの励ましの言葉や応援の言葉をいただいた思い出は今も脳裏に強く残っています。ただ、自分が相手チームの監督としてあのスタジアムにやってくるとは、あの時代にはなかなか想像できなかったですけどね」

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