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Jリーグ 2年前

鹿島アントラーズが上を目指すには? 三竿健斗と鈴木優磨だけではキツイ。「チャンピオンになるチームというのは…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

三竿が試合後に嘆いたのは…



 こういう展開になったのだから、鹿島としては虎の子の1点を守りつつ、攻めに出てきた相手の裏を取って追加点を挙げるような形に持ち込みたかった。伝統的に「ウノゼロ勝利」を得意とするチームだけに、そのDNAは鈴木優磨や三竿ら鹿島在籍年数の長い選手たちには刻み込まれていたはずだ。

 にもかかわらず、彼らはワンチャンスから失点してしまう。後半29分の湘南の右CK。茨田陽生の精度の高いボールをファーサイドで大野和成がヘッドで折り返し、ニアで合わせたのが瀬川祐輔。序盤から再三決定機を逃していた背番号13にフリーで飛び込まれ、鹿島守備陣としては致命的な1点を献上してしまった。

「セットプレーで同点にされるっていうのは弱いチーム。それが今のウチを表している。内容が悪い中でも勝ち点3を取れていたらまた違ったけど…」と鈴木優磨も神妙な面持ちで語っていたが、勝負どころで守り切れない脆さを彼らは露呈してしまったのだ。

 結局、試合は1-1のドローでタイムアップの笛。鹿島は新戦力・エレケを投入し、もう1点を取りに行ったが、それも実らなかった。岩政体制初の連勝も叶わなかったが、やはりそれ以上に気になるのがデータだ。

 支配率は最終的に48%と下回り、シュート数も14対5と大差をつけられた。パス成功率は前半より若干上がって70%まで回復したが、走行距離やスプリント回数でも湘南に凌駕される形となった。そういう苦しい内容と結果を招いたのも、やはりデュエルや競り合いの部分で勝ち切れなかったからだろう。

 自身も失点に絡んだ三竿は、自分たちの「サッカーIQの低さ」を嘆いていた。

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