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Jリーグ 2年前

鹿島アントラーズが上を目指すには? 三竿健斗と鈴木優磨だけではキツイ。「チャンピオンになるチームというのは…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

タイトル奪還に必要なものとは…



「今の僕らはピッチで判断する力がまだまだ足りない。1人がこうだと考えても、周りが反応しなかったら、その考えはないに等しいんで、もっとサッカーIQを上げないと。用意してきた戦いができないんだったら、自分たちで応用していかなきゃいけない。チャンピオンになるチームっていうのはいろんな戦い方ができる。それをこれから身に着けていかないといけないと思います」

 三竿が自戒の念を込めてこう話すのも、2018年にAFCチャンピオンズリーグ(ACL)制覇を果たした頃のチームを知っているからだろう。当時は小笠原満男(アカデミー・テクニカルダイレクター)を筆頭に経験豊富な面々がいて、臨機応変に戦い方を変えることができていた。賢さや判断力というのは紛れもなく常勝軍団の強みだった。

「常に考えてはやっていますけど、それが優磨や僕だけだとキツイ。今は真面目な選手が多いですけど、いやらしさとか相手が嫌なプレーが何なのかを考えながらやらないと、今の時代のサッカーは勝てない」と彼は改めて強調していた。

 岩政監督は徹底した分析を踏まえて勝利への最短距離を導き出せる指導者だが、それを選手が忠実に遂行するだけではタイトルは奪還できない。その厳しい現状を再認識したうえで、鹿島は前に進んでいくしかない。27日の次節・川崎フロンターレ戦まで時間は限られているが、まずは球際やハードワークという原点に立ち返り、個々が戦える集団にならなければいけない。今こそ選手たちの自覚が問われる。

(取材・文:元川悦子)

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