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Jリーグ 2年前

ガンバ大阪・宇佐美貴史の覚悟。指揮官に「代えないでください」と伝えた勝利の舞台裏【コラム】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

「それが理由なら代えないでください」

【写真:Getty Images】



 同点、逆転を狙うマリノスがさらに攻勢を強めてくると考えた宇佐美は、60分過ぎから「体力的には大丈夫なので、それが理由なら代えないでください」と松田監督へ伝えていた。結果として果たしたフル出場を「全然、予定通りじゃなかったです」と苦笑しながらこう振り返る。

「試合を進めるなかで、体力的にも戦えそうだなという感触がありました。なので、自分のプレーの出来以外の理由で交代になるのは嫌だった、という感じですね」

 後半アディショナルタイムに、宇佐美とFWレアンドロ・ペレイラの交代を示すボードが掲げられた。しかし、直後にパトリックがプレー続行不可能となり、担架でピッチ外へ運び出された。急きょパトリックとペレイラの交代に替えた松田監督は、宇佐美へ次のように言及している。

「復帰して間もないなかで代えたいところもあったけど、同時にちょっと代えられない存在とも感じた意味で、チームにとって柱になる選手だとあらためて思いました」

 リーグ戦のピッチへ209日ぶりに帰ってきた柏との前節で、体力面が考慮された宇佐美は最初の交代カードが切られた73分にベンチへ下がっている。結果はホームで無念のスコアレスドロー。しかも、一夜明けた2日に待っていたのは、想像をはるか越えるリバウンドだった。

「患部もそうですけど、とにかく疲れがすごかった。試合後の筋肉痛がマリノス戦の前日まで取れなかった。昨日になってやっとちょっと落ち着いたかな、という感じでした」

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