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Jリーグ 1年前

盟友の死、最悪のミス…。それでもなぜサンフレッチェ広島は立ち直ったのか?【コラム】

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予期せぬ形でスコアが動いた


元気な姿で戻ってこい、というエールを込めて、広島は公式ツイッター(@sanfrecce_SFC)を21日夕方に更新。工藤さんが在籍時に背負った「50」と「9」のユニフォームを、国立競技場のベンチにかけた写真をアップした上で「明日は共に戦おう、工藤」とつぶやいていた。

それだけに、盟友でもある佐々木や青山が受けたショックの大きさは計り知れない。しかも午後1時5分のキックオフまでに必死に気持ちを立て直し、タイトル獲得をかけて臨んだ一戦は一進一退の攻防が繰り広げられていた53分に、予期せぬ形で均衡が崩れてしまった。

先制したのはセレッソ。心のなかで「失礼なプレーは絶対に見せられない」と誓いを新たにしていた佐々木が犯した痛恨のミスが、相手のゴールをアシストしていた。

MF松本泰志は奪ったボールを、後方の佐々木へいったん戻した。佐々木はさらにゴールキーパーの大迫敬介へ、右サイドへ展開してほしいという狙いを込めてバックパスを送った。

もっとも、大迫のポジションを把握していた佐々木は、パスを出す直前にルックアップする作業を怠っていた。相手が見せた一瞬の隙を、広島ユース出身のFW加藤陸次樹は見逃さなかった。

DF荒木隼人の背後から広島ゴール前へ飛び出すと、あっという間にバックパスをカット。そのままドリブルでペナルティーエリア内へ侵入して大迫をかわし、右側へ体が傾きながらもしっかりと右足を振り抜いて無人のゴールへボールを流し込んだ。

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