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Jリーグ 1年前

「納得いかない」浦和レッズでの今季ラストゲーム。酒井宏樹がACL制覇にこだわる理由【コラム】

シリーズ:この男、Jリーグにあり text by 藤江直人 photo by Getty Images

酒井宏樹がこの一戦に込めた思い

「単純に僕たちよりもマリノスの方が、チームとしての出来がよかった。本当に悔しいけど認めざるをえないし、内容と結果を受け入れないと何も変わらない。批判になってしまうので後で試合の映像を見なければいけないけど、感覚的には連動している部分がちょっと少なかったと感じています。いきなりステップアップすることはできないので、劣っている部分をしっかりと受け止めて、ひとつひとつの作業をチームのみんなで取り組んでいかなければいけない」

 口調こそ淡々としていたが、酒井はその胸中に異なる感情を脈打たせていた。

 両チームの選手やコーチングスタッフが右腕に黒い喪章を巻き、キックオフ直前には黙祷を捧げた一戦。水頭症のために入院していた病院で、32歳だった元日本代表FW工藤壮人さんが21日に急逝してから初めて酒井が迎える公式戦には、必勝を誓う理由があった。

「もう過去のことですし、自分のなかではしっかり前に進んでいるので。とにかく本当にいいプレーをして、いい結果を届けることが自分の使命だと思っていますし、そうしてお互いにいつも刺激し合ってきた。勝たなければいけなかった、という意味で今日は非常に残念です」

 同じ1990年生まれの工藤さんとの出会いは、小学校6年生だった2002年までさかのぼる。一度だけ練習へ参加したことがきっかけとなり、練習生として招かれるようになった柏レイソルU-12に、4年生のときから加入していたのが工藤さんだった。

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