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Jリーグ 1年前

谷口彰悟に溢れた感情とは? 3連覇を逃した川崎フロンターレにあった「過去との差」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

谷口彰悟に溢れた感情


【写真:Getty Images】



「正直、他力で、自分たちが勝とうが、向こうが勝てば優勝できない。ある程度、割り切って試合にのぞんで、そういう結果も覚悟していたんですけど、終わってみると一番に『悔しいな』というのが一番溢れてきた感情。この結果を受け止めるしかないと思います」

 途中で鼻を負傷し、満身創痍の状態でフル出場したキャプテン・谷口彰悟も神妙な面持ちで無冠に終わった現実を受け止めていた。

 昨季途中に田中碧と三笘薫、昨季末に旗手怜央と代表クラスの主力が次々と抜け、補強が薄かったこともあり、今季の川崎は「過去2シーズンに比べると厳しい」という見方をされていた。案の定、開幕2戦目の横浜戦を4失点大敗。その後もセレッソ大阪相手に4失点など、序盤から苦しい戦いを強いられた。

 こうしたギクシャク感が響いて、4~5月のアジアチャンピオンズリーグ(ACL)もまさかのグループステージ敗退。帰国直後の5月末もリーグ3戦未勝利と壁にぶつかった。6月には天皇杯3回戦で格下の東京ヴェルディに敗れ、7月後半にはコロナ感染者が続出。フィールドプレーヤー2人しかベンチにいない状況で7月30日の浦和レッズと戦い、1-3で敗れる不運もあった。

 8月にはYBCルヴァンカップ準々決勝でセレッソに苦杯。唯一残ったのがJ1だった。チームとしては3連覇達成に全精力を注ぎ、終盤まで粘り強く追い上げたが、あと一歩、大目標に手が届かなかった。鬼木監督の言うように「1年間の積み重ね」の末、2位という残念な結果に終わったのである。

 山根は今季の課題をこう分析した。

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