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サッカー日本代表、堂安律の4年間。久保建英という刺激。遠回りこそが成長の近道【分析コラム】

堂安律にとって「久保建英」はどういう存在なのか


【写真:Getty Images】



「正直、感覚ですね。話し合っているところもありますけど、実際に試合に入ったら感覚なので。けっこう波長も近いですし、すごくわかりやすいですね」

 堂安は東京五輪世代のチームではなく、前回ロシア大会後に船出した森保ジャパンで、初陣からA代表に名を連ねてきた。そして、約9カ月後の2019年6月。FC東京からレアル・マドリードへ移籍する直前の久保が初招集され、華やかなスポットライトを浴びた。

 ともに左利きの2人は、A代表では2列目の右サイドでポジションが重りがちだった。そのなかで比較されるケースが多かった久保へ、堂安は感謝の思いを語ったことがある。

「建英の存在には刺激しか感じないですよ。建英の成長によって焦らされる自分がいるので。生かし、生かされながら、チームのためにいいプレーができれば。僕は建英のよさをわかっているし、建英も僕のよさをわかってくれている。そこは理屈や戦術だけじゃ上手くいかない部分でもある」

 しかし、代表での戦いの舞台を東京五輪からアジア最終予選へ移した昨年9月以降で、なかなか共演できるチャンスが訪れない。堂安の主戦場となる右サイドハーフには伊東純也が、久保のトップ下には鎌田大地が君臨。システムが4-3-3へスイッチしてからは、先発する機会がさらに遠のいた。

 敵地シドニーで難敵オーストラリア代表を撃破した日本代表が、7大会連続7度目のワールドカップ出場を決めた今年3月シリーズで、堂安はついに選外となった。負傷している場合か、あるいは東京五輪代表に専念している場合を除けば初めてとなる事態に、さらに拍車をかける出来事があった。

 3月シリーズで選外になった直後の3月16日。堂安が自身のツイッター(@doan_ritsu)へ投稿したつぶやきが、森保一監督への意趣返しなのではないかと波紋を呼んだ。

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