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サッカー日本代表には西川周作が選ばれるべきだった。スーパーセーブよりも大事なこととは【後編】

シリーズ:コラム text by 沖永雄一郎 photo by Getty Images

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 サッカー日本代表がFIFAワールドカップカタールに向けて現地で最終調整を重ねる最中、『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座』『ジョアン・ミレッ 世界レベルのGK講座 技術編』の著者ジョアン・ミレッ氏を招いたイベントが行われた。独自の理論を持つ浦和レッズのジョアン・ミレッGKコーチは、育成年代からトップまで、多くの日本人選手を指導してきた。Jリーグでトップクラスの実績を持つ林彰洋や西川周作、そして成長著しい牲川歩見は、この異色のスペイン人GKコーチから何を学んだのか。(取材・文・沖永雄一郎)


サッカー日本代表には西川周作が選ばれるべきだった


【写真:編集部】

 一過言あるベテラン選手にまで、ジョアンの理論がどうしてここまで受け入れられるのか。その理由には一にも二にも「¿Por qué?(なぜ?)」の精神によるだろう。本書の「はじめに」にもある言葉だが、ジョアンは「なぜ?」を常に考え続けてメソッドを確立させ、常にアップデートしている。そして選手に伝える際にも、逐一「なぜ?」を説明することで、頭で理解して取り組むことができる。西川は今季、失点シーンについて語る際に「解決方法がわかっているので悔しい」としきりに口にした。

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 このイベントでも、そして今季何度も語ったように、西川のプレーは大きく変わった。「クロスに出るタイプではなかったけど、いまは出るのが楽しくてしょうがない」と顔をほころばせる。いかにシュートを打たせないかに挑み、昨季までだったら飛び出していなかっただろうクロスに飛び込んで処理し続けた。起き上がる際のフォームも変わり、よりシームレスにダブルアクションに移れるようになった。

 西川は劇的な変化を遂げ、出場機会がわずかだった牲川にも確かな成長と変化が見て取れた。技術だけでなくフィジカルトレーニングも効果的に行われており、西川はこの1年で筋肉量が2kg増えたという。W杯に関する質問の中で、ジョアンは「シュウが代表に選ばれるべきだった」と語り、冗談交じりに「川島や権田は相応しくない」とも言い放った。

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