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堂安律が目指す本田圭佑超え。サッカー日本代表、必然だった逆境大好き人間の活躍【カタールW杯】

シリーズ:コラム text by 元川悦子

堂安律が本気で目指すもの



 その高度な集中力が今大会2ゴール、そして天下分け目のスペイン代表戦で決勝点をお膳立てするというプレーとなって結実した。これは本当に称賛すべきことである。

 2-1になった後、日本代表は長い長い守勢を強いられた。同時刻キックオフのドイツ代表対コスタリカ代表戦も目まぐるしく状況が変わる中、冷静に対応しつつ、守備のハードワークを続けなければならなかった。

 今季フライブルクで守備のタスクを強く求められている堂安は、球際の激しさと寄せの厳しさを前面に押し出し、さらには右の空いたスペースを埋める献身性もしっかりと示した。プレー時間は後半45分のみだったが、森保監督もこの男の一挙手一投足を頼もしく感じたに違いない。

「ドイツに勝ったことが奇跡じゃないってことを示さなければいけなかった。日本サッカー界がステップアップしていることも見せなくてはいけなかった。今日の結果で必然だと思ってくれる人も少なからずいると思う。

 グループを突破すれば、僕が大会前に言っていた『優勝』というのをみなさん信じてくれると思いますし、冗談抜きで僕は本気で優勝を目指しています」

 こうした物言いもガンバの先輩・本田を想起させる。「本田さんのW杯4ゴールを超えたい」と言い切った24歳の貪欲で泥臭いアタッカーはこれを機に大きな飛躍を遂げてくれるだろう。

 さしあたって5日のラウンド16・クロアチア代表戦は絶好の相手。前回準優勝チームに堂安が3ゴール目を決めてくれれば、日本代表の悲願達成が現実になる。今の背番号8ならば、それだけの大仕事ができるはずだ。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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