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京都サンガ曺貴裁監督の組織論「役職があれば言葉に重みが乗る」「こいつはものになる」と思った瞬間【育成主義2】

シリーズ:育成主義 text by 藤江直人 photo by Getty Images

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京都サンガF.C.は昇格2年目となるシーズン開幕を控える。2021シーズンから指揮を執る曺貴裁監督は、選手のエネルギッシュかつ高いモチベーションをどのように引き出しているのだろうか。全4回の短期連載の第2回では、選手に様々な役職を与える曺監督の組織論に焦点を当てる。(取材・文:藤江直人)


京都サンガF.C.の新たな役職「GM」とは?


【写真:Getty Images】

 他のクラブではお目にかかれない肩書きが、京都サンガF.C.では選手たちに与えられている。J1の舞台で実に12年ぶりに戦った昨シーズンから「ジェネレーター」と「ヤングジェネレーター」が、そして残留を果たして気持ちも新たに臨む今シーズンからは「GM」が相次いで新設された。

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 いったいどのような役割なのか。そもそも、一般的には「ジェネラルマネージャー」と受け止められる「GM」とは何なのか。意図を問われた曺貴裁監督はニヤリと笑った。

「GMと見せかけて、実はそうじゃない。グラマネです、グラマネ」

 略せば「グラマネ」となる「グランドマネージャー」が答えだった。ヒントは曺監督がア式蹴球部に所属した早稲田大学時代にさかのぼる。当時はコーチが置かれておらず、グランドマネージャーと呼ばれる部員を中心に、学生主体で練習メニューを考案していたという。

「その役割をそのままというわけではないんですけど、日々の練習メニューの意図を汲んで、チームのみんなにグランドの上で伝えていく役割も必要だと思って僕が決めました。キャプテンと副キャプテンだけじゃなくて、グランドのなかで戦術を浸透させるとか、あるいは監督が言っているのはこういう狙いがある、みたいな話をする選手も必要なのかなと。そのためにも何か役職があれば、言葉にもちょっと重みが乗るじゃないですか。そういう思いも込めて決めました」

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