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Jリーグ 1年前

佐野海舟が鹿島アントラーズにもたらす中盤の分厚さ。誰しも目指すサッカー日本代表へ【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

佐野海舟の理想と課題



 川崎という高い壁に初めて阻まれた佐野も悔しさを噛みしめたに違いない。

「ボールを奪えるシーンもありましたけど、本当に大事なところで防げないといけないし、試合の流れをもっと読んで自分がどう振舞うかを考えていく必要があると思いました。

 自分もチームもやらなきゃいけないことが沢山ある。1つ1つクリアして、シーズン終盤に向けて改善して、タイトルを取れるチームになっていきたい」と背番号25は気力を振り絞って必死に前を向いた。

 そのためにも、自身のクオリティを高め、J1トップ基準の駆け引きを覚え、ゲームをコントロールできるようにならなければならない。名門・鹿島の中盤を担う選手というのは、誰もが認める圧倒的な存在感をつねに示し続けることが求められるからだ。その大仕事を遂行できるようになった先には、日本代表などの高い目標も見えてくる。まだ22歳と若く、J1経験の少ない佐野には際限ない伸びしろがある。そこは前向きに捉えていい点だ。

「僕の理想は(エンゴロ・)カンテ選手。日本で言えば、遠藤航選手や守田(英正)選手。僕はボールを奪うのが武器なんで、そこはしっかり伸ばしつつ、いかに流動的にボールを動かせるかという部分もやらないといけない。そこが課題だと思っています。

 日本代表は誰しもが目指すところ。ただ、自分はまだレベルが足りていない。課題をクリアして近づいていけるようにしたいです」

 悔しい敗戦と引き換えに、自分のやるべきことが明確になった佐野。これをどう今後に生かすかが重要だ。彼ら若い世代がどこまで力をつけていくか。常勝軍団復活のカギはそこにあると言っていい。

(取材・文:元川悦子)

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