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Jリーグ 1年前

最高のスタート! J1リーグベストイレブン。ブレイク、復活、変貌…。新たな顔を見せる11人

シリーズ:Jリーグベストイレブン text by 編集部 photo by Getty Images

MF:佐野海舟

【写真:Getty Images】


所属クラブ:鹿島アントラーズ
生年月日:2000年12月30日(22歳)
2023リーグ戦成績:2試合0得点0アシスト

 J1初挑戦とは思えない落ち着きとパフォーマンスで、佐野海舟は鹿島アントラーズの中盤を制圧している。プレシーズンではサイドバックで起用されたこともあったが、開幕以降は本職の守備的MFとしてプレーしている。

 最大の持ち味であるボール奪取能力は、J1でも大いに通用する。データサイト『SofaScore』によると、この2試合での地上戦のデュエルは13戦9勝と高い勝率を誇る。佐野のインターセプトやタックルから攻撃を開始したシーンはこの2試合で何度も見ている。

 4-3-3のアンカーで佐野が守備的なタスクを広くこなしているからこそ、両脇のディエゴ・ピトゥカや樋口雄太は攻撃的に振る舞うことができる。攻守両面でまだまだ伸びるのではないかと期待させるポテンシャルがあるが、J1初挑戦のシーズンとしては上出来のスタートを切ったと言えるだろう。

MF:小野瀬康介


【写真:Getty Images】

所属クラブ:湘南ベルマーレ
生年月日:1993年4月22日(29歳)
2023リーグ戦成績:2試合1得点1アシスト

 小野瀬康介は新天地で躍動している。開幕節では前半終了間際に平岡大陽のゴールを浮き球のパスでアシストすると、後半にはコーナーキックをペナルティーエリア外から右足で合わせて直接ゴールネットを揺らした。第2節でも右サイドからのミドルパスで町野修斗のゴールをおぜん立て。2試合で7得点を記録した湘南の攻撃において、小野瀬は欠かせない存在となっている。

 これまで小野瀬は横浜FC、レノファ山口、ガンバ大阪でプレー。2020シーズンにはガンバの2位躍進に貢献したが、昨季限りで契約満了となり、ガンバ時代にコーチだった山口智監督のラブコールを受けて湘南に加入している。これまでは右サイドが主戦場だったが、湘南では3-1-4-2の右インサイドハーフで起用されている。2試合連続でチーム最高となる走行距離を記録し、起点となるパスで湘南の攻撃を司る。

 ガンバでは2019シーズンにJ1自己最多となる7得点4アシストをマーク。湘南に加入した今季の目標を自己最多更新としており、幸先の良いスタートを切った。

MF:伊藤涼太郎


【写真:Getty Images】

所属クラブ:アルビレックス新潟
生年月日:1998年2月6日(25歳)
2023リーグ戦成績:2試合0得点2アシスト

 6シーズンぶりにJ1の舞台に戻ってきたアルビレックス新潟は、2試合を終えて1勝1分という上々のスタートを切った。昨季のJ2を制した攻撃的なスタイルをJ1でも披露しており、そのキーマンとして輝いているのがトップ下で起用される伊藤涼太郎だ。

 セレッソ大阪との開幕節の22分には、ペナルティーアーク付近まで運んでラストパスを出し、谷口の先制点を演出した。逆転された80分には右CKから千葉和彦のヘディング弾をアシストしている。第2節でも中盤から絶妙なパスを三戸瞬介に出して先制点の、37分には太田修介への絶妙な浮き球のパスで追加点の起点となっている。

 ここまで新潟が挙げた4得点は、すべて伊藤が絡んでおり、1試合平均のチャンスクリエイト数はリーグトップの5に達する。昨年9月に右膝前十字靭帯を損傷してリハビリが続く高木善朗を欠く中、伊藤が司令塔として新潟の攻撃的なサッカーを支えている。

MF:宇佐美貴史


【写真:Getty Images】

所属クラブ:ガンバ大阪
生年月日:1992年5月6日(30歳)
2023リーグ戦成績:2試合1得点0アシスト

 アキレス腱断裂という悪夢でシーズンの大半を棒に振った昨季を経て、宇佐美貴史は新たな姿を見せる。ダニエル・ポヤトス監督が就任した今季のガンバ大阪では任されたのは、4-3-3のインサイドハーフだった。

 柏レイソルとの開幕節では前向きでボールを受けた状態で相手に寄せられながらも細かいボールタッチで相手をかわしてゴールネットを揺らした。サガン鳥栖との第2節では前半にポストを叩く強烈なシュートを放ち、CKから鈴木武蔵のゴールをおぜん立て。データサイト『SofaScore』によると、鳥栖戦でのキーパス数は5本に達している。

 今季から背番号を7番に変更して、主将を務めている。ポジションを下げたことでタスクは増えたが、攻撃面ではトップフォームに近い輝きを放っている。ガンバの最高傑作と言われた逸材は様々な経験を経て、31歳となるシーズンで上々のスタートを切ったと言えるだろう。

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