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日本代表 1年前

「Jリーグっぽい」サッカー日本代表。堂安律が提起した問題意識の真意とは?【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by NN

「Jリーグっぽい戦い」痛感した難しさとは


【写真:NN】



「Jリーグを批判しているわけじゃないけど、『Jリーグのサッカーっぽい戦い』をしている感覚が僕にはあった。欧州はもっと縦に速くてゴールに向かっていくサッカーをしている。歓声がつねに響いて、攻守が入れ替わる。やっぱり優先順位を忘れちゃいけないなと思います」

 堂安の問題提起は的を射ている。カタールW杯で日本がドイツ代表やスペイン代表に勝てたのも、矢のような攻めが機能したからだ。それとボール保持を両立させ、幅をもたせるというのは、活動期間が短い代表にとっては非常にハードルが高い。その難しさを森保監督も選手たちも改めて痛感したのではないだろうか。

「(2つの戦い方を追い求めるのは)間違いなく難しい。ただ、僕らはコミュニケーションを多く取れるチーム。先輩たちが背中を見せてくれたし、僕らもそれをやらなきゃいけない。今の代表は比較的静かなチームだと思うし、もっと意思疎通を図らないと。なあなあなチームじゃダメ。僕は危機感を感じてます」

 彼のようにバッサリと苦言を呈せる人間がもっと増えてこないと、新生ジャパンは強くならない。鎌田は「自分たちは監督やコーチ陣に要求されていることをやるのが仕事」と言っていたが、それを落とし込むためには個々の質も意識もチームとしての意思統一も研ぎ澄ませていかなければいけないはずだ。

 カタールW杯に出られなかったコロンビア代表に勝てないという現実が8強入りのハードルの高さを物語っている。そのことを彼ら今一度、強く認識したうえで、勝てる代表を作るべく、方向性を整理してほしい。

(取材・文:元川悦子)

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【了】

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