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Jリーグ 1年前

「今季最悪」鹿島アントラーズの現在地。浮上か下降か…。問われる岩政大樹監督の統率力【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

3連敗「僕とか優磨とかがやらないといけない」


【写真:Getty Images】



 そこから巻き返しを図るべく、後半頭に2枚替えを行う。広瀬陸斗、樋口雄太を投入し、前線を鈴木と知念の2トップにして攻撃の活性化を図った。

 これにより少しは流れがよくなり、開始早々の1分には佐野海舟のボール奪取から荒木、鈴木とつないで安西が強引にシュートを放つ得点機も作った。安西がインサイドの位置を取り、広瀬が左に回り込むなど、前半に見られなかった流動性も出てきて、攻めが活性化した印象だった。

 それでもゴールを割れないと見るや、指揮官は師岡、垣田裕暉ら持てる駒を次々と投入。前線に厚みを持たせようと試みる。だが、「虎の子の1点をガッチリ守るんだ」という柏の守備意識は非常に高く、強固なブロックは崩れない。8カ月未勝利の泥沼から抜け出そうというチーム全体の結束力は明らかに鹿島を上回っていた。

 結局、試合はこのままタイムアップの笛。鹿島はまさかのリーグ4戦未勝利で3連敗、14位転落という厳しい現実を突きつけられた。

「試合が終わった後、エンブレムを見て、このままじゃいけないと強く感じた。僕は5~6年前を知っていますけど、アントラーズの先輩方っていうのは連敗しなかった。それを中堅になった僕とか優磨とかがやらないといけない」と安西は悔しさをにじませたが、常勝軍団復活を掲げるチームがここまで勝ち点を積み上げられないのはやはり問題だ。

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