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Jリーグ 1年前

「今季最悪」鹿島アントラーズの現在地。浮上か下降か…。問われる岩政大樹監督の統率力【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

結果が出なければ誰も納得しない



 統率役を託されながら守備陣を落ち着かせられなかった昌子が「僕が出るようになってから勝ってないことにすごく責任を感じる」と伏し目がちに言うように、鹿島のDNAを引き継ぐべき面々にミスが目立つのも懸念材料だ。移籍組や若手はバタバタ感が否めず、チームの確固たる軸のようなものが見当たらない。それが今の鹿島ではないか。だからこそ、試合後にはサポーターがゴール裏に30分以上陣取り、「岩政を出せ~」と説明を要求したのだろう。

 結果が出なければ誰も納得しない。岩政監督はそのことを誰よりもよく分かっているはず。その指揮官が「結果も内容もよくなかった。今季一番悪かった」と認めたのだから、楽観は許されない状況と言っていい。

「自分たちがやろうとしていることをやって負けたんであれば問題ない。広島戦もマリノス戦も川崎戦もそうだった。でも今日は90分間サポーターに応えられないような姿勢で試合が進んでしまった。そうなると上積みというのがなかなか見出せない。(15日の神戸戦に向けて)そこの確認をするのか、メンタル的なことを促すのか。そこは1日考えます」と指揮官もアプローチ方法を考えあぐねている様子も見せていた。

 今は土台を作る時期で、川崎やマリノスのように完成度を高めるにはまだまだ長い時間がかかるというのは確か。とはいえ、結果が出なければ、不安や疑問も生まれる。今こそ、岩政監督のマネージメント力が強く問われるところだ。ここで浮上のきっかけをつかむのか、それとも下降線を辿るのか…。彼らは大きな岐路に立たされている。

(取材・文:元川悦子)

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