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Jリーグ 1年前

繰り返す失点。川崎フロンターレは変わらなければいけない。「選手同士でも話している」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「隙を見せるとああいう結果になる」



 特に右サイドに入ったU-20日本代表のドリブラー・永長鷹虎の仕掛けから得点機を作りたいという思惑はあったはずだ。

 だが、敵将・長谷川健太監督もそこはしっかりと見通していた。FC東京時代から等々力競技場で川崎に負け続けてきた指揮官は入念な策を講じ、永長に対して3バック左の藤井陽也と左ウイングバック(WB)の森下龍矢がマークを受け渡しながら対応していた。さらにボランチの米本拓司もサポートに行かせるなど、徹底したチェックでボールを奪い、カウンターに持ち込もうと試みたのだ。

 それがいきなり形となって表れたのが、開始9分。川崎の大南拓磨から永長がパスを受け、バックパスを狙ったところを米本がカット。縦に抜け出した永井謙佑に展開し、最終的にはキャスパー・ユンカーがGKとの1対1を冷静に沈めたのだ。

 名古屋自慢の電光石火の一撃を川崎は想定していたはずだったが、まんまと相手の術中にはまってしまった。先制点を献上するのは今季8戦中7試合目。毎回のように後手を踏んでいたら勝ち星が遠のくのは当然だ。

「最初の失点のところから弱気なところが出た。隙を見せるとああいう結果になる。ポジティブなミスならみんなでカバーできるところもあるが…」と鬼木監督も悔しさをにじませたが、チーム全体の雰囲気が重苦しくなってしまうのも事実。そこで前向きな声掛けをしたり、全体を鼓舞できる人間がいればいいのだが、谷口の去った今の川崎にはそういう人材がなかなか見当たらない。今季からキャプテンの重責を担う橘田健人も反省しきりだった。

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