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Jリーグ 12か月前

浅野雄也を輝かせるコンサドーレ札幌の環境。サッカー日本代表の可能性とミシャの心配【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

大量4得点でリーグ連勝



 そうした中、先制点が生まれるのも前半6分と早かった。浅野から右の金子に供給。その折り返しに飛び込んだのが駒井。ミシャの申し子とも言えるアタッカーの一撃で札幌は勢いづいた。前半は局面や球際のバトルでも相手を圧倒。41分には浅野の惜しいバイシクルが飛び出すなど、追加点がいつ生まれてもおかしくない雰囲気だった。

 しかし、その流れを90分間持続できないのが今の札幌の課題。後半開始直後にオンフィールドレビューを経て岡村大八がPKを献上し、町野修斗に同点にされてしまう。そこで一回集中が切れてしまったのか、わずか1分後に阿部浩之に逆転弾を決められてしまったのだ。

「チームとして失点がどうしても気になる。失点ゼロの試合も少ないですし、守備の選手だけの責任じゃなくて、チーム全体で改善しないといけない。1失点して崩れてしまうようではダメ。修正力も大事かなと思ってます」

 浅野がコメントするように、その悪癖がなくなれば目標の上位躍進も叶うはず。そこは選手たちがしっかりやっていかなければならないだろう。

 そういった守備の脆さはあるものの、札幌の爆発力はやはり凄まじい。5月6日の前節・FC東京戦の5得点に象徴される通り、いったん火が付くと勢いはとどまるところを知らない。

 この日も2失点目の10分後に田中駿汰の精度の高いロングクロスに小柏が反応して頭で合わせて2-2に追いつくと、この5分後の後半30分に浅野が見せてくれた。岡村からの縦パスが小柏に入った瞬間、鋭い動き出しでゴール前に駆け上がった背番号18がラストパスを受け、左足を一閃。右ポストに当たって入り、3-2と逆転に成功した。これが決勝点となり、札幌は最終的に4-2で白星をゲット。ついに今季初のリーグ連勝という結果を残したのである。

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