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Jリーグ 12か月前

浅野雄也を輝かせるコンサドーレ札幌の環境。サッカー日本代表の可能性とミシャの心配【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

すでに7得点。浅野雄也の好調の要因


【写真:Getty Images】



 浅野のゴールは今季7点目。しかも札幌のJ1通算500ゴール目だという。J得点ランキングでは1位の大迫勇也に続く暫定2位タイで、アンデルソン・ロペスや町野と並ぶ堂々たる成績だ。昨季サンフレッチェ広島で12試合に出場して無得点と出番に恵まれなかったが、札幌ではキレと鋭さを前面に押し出しているのである。

「好調の要因? 分かんないっすね。好き嫌いせずに何でも食べるってことですかね」と冗談交じりに笑う浅野は自分でも認めるポジティブなタイプ。「僕は自分を見つめ直すとかはあんまりしないんで」と笑っていた。

「ただ、つねに点は取りたいですし、楽しくやりたい。自分の持ち味だったり、ボールを持ってからのプレーっていうのは、このチームの攻撃的スタイルによくフィットしていると思います」と本人は自信をのぞかせる。新天地・札幌で水を得た魚のように躍動し、自信を深めているのは確かだ。

 今季の札幌を見ると、同学年の岡村、大阪体育大時代の1学年後輩の田中、田中と同じ97年生まれの金子、98年生まれの小柏と菅と歳の近い選手が多い。そういった面々と意思疎通を図りやすい部分もあるのだろう。「このチームは若いし、自分も真ん中くらいなので、こき使いやすいですよ」と浅野は冗談交じりに話したが、いち早く環境適応できたことも今のブレイクにつながっていると言ってよさそうだ。

 この日は日本代表の森保一監督が直々に視察に訪れており、浅野のアグレッシブさとゴール前の貪欲さを高く評価したのではないか。2020年12月の東京五輪代表候補合宿には一度、呼ばれたものの、その後は日の丸とは縁がなかった浅野。埋もれていた感の強かった男だが、2つ上の実兄・拓磨との共演も現実味を帯びてきている。

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