家ではジャイアン。指揮官も心配？

「タク（拓磨）が（カタール）ワールドカップで得点したことはもちろん刺激になってます。もし自分が代表に入ったら？たぶんケンカばっかりだと思いますよ（苦笑）。でも親にそういう姿を見せてあげたい」と少なからず欲はあるようだ。

　兄・拓磨もかつて「（7人兄弟の4番目の）雄也は相当な負けず嫌い。家ではジャイアン的な性格で、かなりのエゴイストです」と評したことがあるが、利き足が左でリスタートキッカーも務められる技巧派といった強みもある。拓磨と組めば、速さと鋭さという共通の長所を生かし合うことができるかもしれない。そういう意味でも興味深い存在だ。

「鈴木武蔵は札幌で点を取って海外に引っ張られ、（アンデルソン・）ロペスも中国に行った。浅野もそういう心配をそろそろしないといけないのかな」とミシャ監督も語ったが、注目度が日に日にアップしているのは間違いない。

　26歳の遅咲きのアタッカーがコンスタントに得点数を伸ばし、札幌の快進撃をリードする存在に君臨し続けてくれれば、13節終了時点の総得点29という数字をもっともっと引き上げられるはず。暫定5位に浮上した札幌が上位に居続けられるか否か…。そのカギを浅野が握っていると言っても過言ではない。

（取材・文：元川悦子）