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Jリーグ 11か月前

得点力不足の浦和レッズに何が欠けているのか。荻原拓也の指摘と伊藤敦樹の反省【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「僕の強みを出しやすくなる」スコルジャ采配



 カンテや髙橋のシュートがゼロというのも重なったが、前半の浦和は前線の決定力と推進力が物足りなく映った。ボール保持率・シュート数では川崎を下回り、21分に脇坂に決定的なシュートを打たれたことなどを踏まえると、むしろ「よく守った45分間」と言えるかもしれない。

 ただ、高橋の左MF起用も奏功したと見ていい。「守備のところは強く行ってくれるし、CBに行ってくれるので、自分はSBに強く行ける。そうなると僕の強みを出しやすくなる。メチャメチャやりやすかった」と荻原も前向きにコメントしていた。

 0-0で迎えた後半。スコルジャ監督は高橋と関根貴大をスイッチ。攻撃のギアを上げる姿勢を鮮明にした。その采配がズバリ的中したのが、53分だ。守護神・西川周作のロングキックを相手GK上福元直人が飛び出してヘッドでクリアしたところに関根が反応。ハーフウェーライン付近から無人のゴールにロングシュートを蹴り込んだのだ。2列目の中核を担ってきた関根に今季初ゴールが生まれ、チーム全体の士気が一気に高まった。

 ところが、その浦和に予期せぬアクシデントが起きる。先制点から5分後の58分、ビルドアップの流れから岩尾憲のバックパスを受けた西川がまさかのコントロールミス。そのままゴールに入ってしまったのだ。

「彼がああいうミスをしたのは私が浦和に来てから初めて。責めることはできない」とアレクサンダー・ショルツも庇ったが、どんな名手でも事故は起こり得るということなのだ。

「必ずチームメートが点を取ってくれるだろうと。むしろ試合が面白くなったのかなと。そういう前向きなメンタリティになりました」と西川自身は即座に切り替えたというが、チームとしても挽回への意欲は大いに高まったはずだ。

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