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日本代表 7か月前

逃したら次はない。サッカー日本代表は南野拓実をどう使う? 期待される新たな役割とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

南野拓実をどう使う?



 トップ下に関しては、第1次森保ジャパン時代の南野の主戦場。鎌田が定着するまではほぼ彼が担っていたと言っていい。当時は大迫勇也が1トップに君臨していて、相手を背負って確実にタメを作ってくれるため、南野は前向きでシュートやパスを狙える状況にあった。

 だが、今のチームに大迫は不在。それに最も近いのが上田綺世だが、カナダやチュニジアというカタールW杯出場国の屈強なDF陣相手にどこまで時間を作ってくれるか分からない。

 実際、南野が上田と組むとも限らないし、古橋亨梧や浅野拓磨と縦関係を形成する場合はむしろ南野がタメを作る仕事を担わなければならなくなるかもしれない。そうやって柔軟性や臨機応変さを発揮することで、チームの攻撃は円滑化する。そのうえで得点チャンスが増え、彼自身も結果を残せればまさに理想的だ。

 今のアタッカー陣では南野が最も経験豊富と言えるくらいのレベルにいるのだから、周りをグイグイ引っ張るくらいの強い意気込みでのぞんでほしいものである。

 一方のIHに関しては、第1次森保ジャパン時代はプレーしていない新たな役割だ。ご存じの通り、指揮官はカタールW杯最終予選途中から4-1-4-1を採用したが、当時の南野のポジションは左サイド。とはいえ、もともと外に張ってプレーするタイプではないだけに、中へ中へと入りすぎて敵の網にかかり、攻撃が停滞するといった悪循環も生じていた。

 そんな中、三笘が急成長。「南野は左サイドに合っていない」と言われるようになり、森保監督も「やはり拓実はインサイドでプレーしてこそ生きる選手」と判断したのだろう。

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