「トップ下だけ」では生き残れない
そういった流れからIHという選択に至ったわけだが、この位置は守田英正や田中碧などボランチを本職とする面々も有力な候補者。所属先でIHを主戦場とする旗手怜央のような人材もいて、南野にとってはなかなか厳しい。
彼が下がるとゴールへの迫力や決定力が出づらくなるため、いかにして高い位置を取るかという課題にも直面しそうだ。その最適解を短時間の練習と試合で完璧に見出すのはハードルが高いが、「4-2-3-1のトップ下しかできない選手」となってしまうと、今の代表では生き残れない。南野は何とか解決策を探っていくしかなさそうだ。
とはいえ、おそらく森保監督は今回、4-2-3-1をベースに戦うだろう。つまり、彼はまずトップ下で勝負を賭けることになる。そこならモナコでやっている役割に近いし、いい感覚でプレーできる。日頃のパフォーマンスをどれだけ代表に持ち込めるのか。それをしっかりと見せてほしい。
5年前の第1次森保ジャパン発足当初のようにゴールを量産していれば、代表から外されることはないはず。「サッカーは結果が全て」ということを、リバプールやモナコで苦渋を味わってきた男は誰よりもよく分かっている。ゆえに、今回は強く得点にこだわるべき。10か月ぶりの日の丸をつける南野拓実の完全復活を楽しみに待ちたい。
(取材・文:元川悦子)
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