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Jリーグ 6か月前

響いた声。湘南ベルマーレは緊急事態をどう乗り越えたのか。監督の覚悟と主将の心中【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

ヴィッセル神戸からもぎ取った「執念の勝ち点1」



 連勝は2でストップした。それでも、敵地・ノエビアスタジアム神戸で4月に対戦した際には0-2で敗れていた首位・神戸に負けなかった。1時間早くキックオフされていた一戦で、最下位の横浜FCが北海道コンサドーレ札幌に負けていたため、勝ち点差は2ポイントに広がった。

「勝つチャンスはあったと思いますし、僕たちは勝っていくしかない状況なので、本当に勝ちたかった、というのが一番です。もう1点を追加できていればよかったですし、後半は少し押し込まれてしまった点を含めて課題が出たと思います。前半から一転して、僕たちの方が少し受けに回ってしまったので」

 キャプテンとしてドローを振り返った大岩は、急造キーパーの大役を果たした心境をこう語る。

「勝たなければいけない、と思わなければいけないんですけど、やはりホッとしました。これを次につなげたいですし、あと3つ勝てば何の問題もないので、まずは次、勝てるようにしたい」

 一夜明けた29日には、16位の柏レイソルが先制点を奪いながら、退場者を出して10人になった川崎フロンターレに追いつかれて1-1で引き分けた。これで柏と湘南の勝ち点差も2ポイントのまま、運命の残り3試合を迎える。湘南は11月11日の次節で、ホームに名古屋グランパスを迎える。

 神戸戦後のロッカールーム。富居と「ナイス」と声をかけ合ったと大岩は明かしている。

「結果が出ている分、チームの雰囲気もすごくいいですよ。別にずっと悪くはなかったですけど、よりよくなっているイメージがあります」

 追加点をなかなか奪えないなど、改善されない課題も顔をのぞかせた。それでも正念場の9月以降で、3勝2分け1敗の数字を残している湘南のチーム状態を大岩はこう説明した。最下位の1チームだけがJ2へ降格する今シーズン。交代枠を使い切った後にゴールキーパーが負傷退場する非常事態で、まさに総力戦でもぎ取った執念の勝ち点1ポイントがこの先、きっと大きな価値をもたらしてくれる。

(取材・文:藤江直人)

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