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Jリーグ 6か月前

「あの決断を正解にできた」アビスパ福岡、背番号6が明かす指揮官への本音とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

アビスパ福岡に浸透する“イズム”「決して華麗ではないけれど」



「ここまで来るのに時間はかかりましたが、福岡がこれだけ力をつけて、決して華麗ではないけれども、みなさんの前で優勝を勝ち取る力をつけたと証明できたことを嬉しく思っています」

 衰え知らずの運動量とインテンシティーの高さをベースに、前線からの激しい守備と、ボールを奪ってからのショートカウンターを愚直に繰り返す。決勝では前がそれらを体現した。シャドーでスタートし、2点をリードして迎えた後半開始から主戦場のボランチへ戻り、さらに紺野が負傷交代した72分からは再びシャドーへ。1点差で逃げ切る原動力になった前と、福岡の現在地を指揮官は重ね合わせる。

「自分たちとしてもずっとボールを握り、攻撃の時間をできるだけ多くして、得点をたくさん取って、というサッカーをやりたい。しかし、今日のところは特に終盤は相手に押し込まれて、いつ失点してもおかしくない時間帯を迎えていました。そこで勝つには相手を上回る攻撃力が必要なのか、それとも自分たちのこれまで培ってきた守備力となるのか。守備力で勝負しようという考えで(前の)立ち位置をまた戻して、選手を代えて、最後の締めにかかりました。ポストを叩く危ない場面もありましたが、そういう狙いのもとで自分たちは最後まで1失点で抑えられたと思っています」

 さらに自身の“イズム”を体現してくれた、前をはじめとする選手たちを指揮官は称えた。

「怯まない、というワードが非常に大事だと思います。これまでも、これからもずっとアビスパ福岡の横にいるというか、つきまとう言葉だと思います。大きい、強い、速い、うまい相手に対して自分たちはどうしていくのか。怯まずに挑む。それができた一戦だったんじゃないかと思います」

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