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Jリーグ 5か月前

ACLを捨てなかったヴァンフォーレ甲府が見る夢。躍進を後押しする“縁起物”「そのままがいいな」【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

選手が感じる「J2がACLを戦う価値」



 その2週間後、甲府サポーターはさらなる歓喜の瞬間を迎える。国立競技場で行われたブリーラム戦で、長谷川元希が後半に劇的な決勝点を挙げ、甲府にACL初勝利をもたらした。

「僕らにとってこれは歴史に残る勝利です」と篠田監督は試合後に語った。「まず1歩踏み出せたという形からグループリーグ突破という夢を全員でかなえていけたらと思っています」

 試合を制するゴールを決めた長谷川もまた、自分たちのためだけにプレーしているわけではないことをチームメイトとともに十分に自覚する。地に足をつけてプレーすることに全力を尽くしていた。

「天皇杯を優勝しないと、J2でACLを戦うことはなかなかない。J2の代表として誇りを持っていますし、日本の限られたチームが出場している中で代表として戦っていますけど、甲府が1勝するのとJ1のクラブが1勝するのでは価値が変わってくる」

 ヴァンフォーレの外国籍選手の何人かはACL経験者であり、以前は2部リーグであることを理由に対戦相手から過小評価されていたかもしれない。ただ、好調なスタートを切ったことは、その状況が続く可能性は低くなったことを意味する。

 2015年に柏レイソルでACL準々決勝に進出したクリスティアーノは、「このことをロッカールームで他のブラジル人たちと話していたんだ」と話す。

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