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Jリーグ 5か月前

ACLを捨てなかったヴァンフォーレ甲府が見る夢。躍進を後押しする“縁起物”「そのままがいいな」【英国人の視点】

シリーズ:英国人の視点 text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

鳥海芳樹の“縁起物”

ヴァンフォーレ甲府FW鳥海芳樹
【写真:Getty Images】



 レギュラーシーズンはACLとJ2を両立のためにメンバーをフル起用していた篠田監督は、11月29日に行なわれた甲府のグループリーグ最終戦、メルボルンとの一戦をスリリングな3-3で終えた。

 これにより、12日のブリーラム戦に向けて状況は整った。甲府は勝利すれば、次のラウンドに進めることになる。

「アウェイは環境もすごく過酷ですし、アウェイ感を感じると思うんですけど、次は勝つしかないんで何が何でも勝ち点3を持って帰りたい」

 鳥海芳樹はホームでメルボルンと引き分けた試合の後でそう口にしている。その目標を達成するためにヴァンフォーレが直面する問題のひとつは、ACLのアウェイ戦でまだ得点を奪えていないという事実だ。しかし、ゴール前で絶好調の鳥海という男がいる。25歳のこの男は浙江とメルボルンの試合、そして、リーグ戦ではラスト3試合のうち2試合でゴールネットを揺らしている。

「あれ以来、彼は楽しみながらゴールを決めているよ」とウタカは鳥海が負傷した左手首に巻いているサポーターに触れ、笑いながら冗談を飛ばす。「剥がしてしまおうか! 大丈夫ならそのままがいいな。彼は得点し続けているからね」

 鳥海が“縁起物”をつけてプレーすることを願うが、火曜日にブリーラムで何が起ころうとも、ヴァンフォーレは今年のACLでの活躍を誇りに思うだろう。ヴァンフォーレはACLを見捨てるどころか、この大会を完全に受け入れ、その過程で選手とファンにとって忘れられない思い出を作ったのだ。

 そして、信じられないことに、それはまだまだ続くかもしれない。

(取材・文:ショーン・キャロル)

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【了】

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