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日本代表 4か月前

「違う自分を見せるのも大事」伊藤涼太郎がサッカー日本代表でベールを脱ぐ「自分にしか出せないプレーが…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

ユニフォームに袖を通し…。こみ上げる特別な思い



「僕自身、同年代の選手たちが活躍しているのを見ながら『自分は何をやっているのか』と思うところもあったし、同時に大きな感動を与えてもらったなかで、次は僕がそういう立場になれるように、という思いもありました。ワールドカップというのは誰しもが出たいと思う場所だし、やはり日本人に生まれたからには日本代表入りを果たして、日の丸を背負って戦いたい、という思いが本当に強くなった」

 カタール大会では1998年生まれの堂安律が、ドイツ代表戦に続いてスペイン代表戦でも同点ゴールを決めた。同じく1998年生まれの田中碧が、スペイン戦で逆転ゴールを決めた。日本中が熱狂してから1年とちょっと。カタールの地で眩い輝きを放った同じ年の2人がいま、伊藤の目の前にいる。

 タイ代表を東京・国立競技場に迎え、史上初めて元日に行われる国際親善試合に臨む日本代表に招集された伊藤は、所属するシントトロイデンの試合スケジュールの関係で、チームメイトの鈴木彩艶とともに初日から1日遅れの12月29日に帰国。千葉市内で行われていた合宿に合流した。

 憧れ続けてきたA代表に、26歳になる直前でようやく名を連ねた。左胸の部分に八咫烏のエンブレムがつけられたる練習ウエアを身にまとった瞬間、伊藤のなかで特別な思いがこみ上げてきた。

「この練習ウエアを着て、日の丸を背負って練習していると、何かいままでとは違った重みを感じているというか……本当に日本を代表して戦う、という意味が込められたエンブレムだと思っているので。ちょっと緊張気味なところもまだありますけど、早く馴染みたいですね」

 J1リーグでゴールもアシストもゼロだった伊藤が、昨シーズンの前半だけで7ゴール4アシストをマーク。代表招集待望論が高まるほどの大ブレークを果たし、6月にはアルビレックス新潟からシントトロイデンへステップアップした伊藤を初めて招集した理由を、森保一監督はこう語る。

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