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Jリーグ 3か月前

「濃野公人は鹿島アントラーズで大きく飛躍できる」大津高校時代の恩師が明かす素顔「内田篤人さんのような…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

「ブラボー」「なんで?」明確なポポヴィッチ監督の要求



「基本的には、ボールを動かしながら相手のラインを1歩突破したら、すぐゴールに最短距離で向かうプレーを監督から求められます。縦パスとか、強いパスを付けて、ズレても前から選んでいれば『ブラボー』だし、せっかく前に運んだのにやめたら『なんで?』と言われる。縦パスが入った時の動き出しが意識されてきた感覚はあります」と知念も語っていたが、縦へアグレッシブに攻めていくポポヴィッチ監督のスタイルが根付きつつある印象を見る者に与えたのは事実だ。

 前向きなトライを繰り返した結果、手に入れたのが21分の先制点だ。左サイドでチャヴリッチがボールを奪取。ドリブルで中央まで持ち運び、右から上がってきた藤井智也に展開。藤井がタメを作りながら、ペナルティエリア内に少し遅れて飛び込んできた樋口にラストパスを送り、背番号14がダイレクトボレーで右足を一閃。見事なゴールを奪ったのだ。

 前半の鹿島はこのシーンのみならず、複数の得点機を作った。新戦力・チャヴリッチがコンディション万全でない中、速さや打開力を示し、新たなFWの軸になれそうな予感を漂わせたのは、1つの朗報と言えるだろう。

 そして、右SBの濃野も新人とは思えないほど積極的な攻撃参加を見せ、存在感をアピールした。彼は右で縦に並ぶ藤井智也と近い距離感を取り、お互いがお互いを生かそうという強い意識が感じられた。そこにボランチの知念や樋口、土居も絡んで連動性ある攻撃を何度か構築していたのだ。濃野本人も前向きに次のように振り返った。

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