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Jリーグ 2か月前

平河悠は「近い将来、サッカー日本代表に入る」。FC町田ゼルビアで輝く「個」。新旧の恩師が評価する能力とは【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグ第3節、FC町田ゼルビア対鹿島アントラーズが9日に行われ、1-0で町田が勝利を収めた。決勝ゴールを決めたのは、クラブと同じく今季初めてJ1の舞台に立つ平河悠。今季から背番号7をつける23歳は、かつての恩師の前で自身の成長を見せることとなった。(取材・文:藤江直人)


平河悠のJ1初ゴール「あまりよく覚えていない」

FC町田ゼルビアの平河悠
【写真:Getty Images】

 無我夢中で叫び声をあげたからか。終わったばかりの鹿島アントラーズ戦の、まさにハイライトと言っていいシーンを、FC町田ゼルビアのFW平河悠ははっきりと覚えていなかった。

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 敵陣のほぼ中央から発動させた町田のショートカウンター。縦パスが鹿島ゴール前にいたFW藤尾翔太に入った瞬間に、左サイドにいた平河は「けっこう強く翔太を呼んだ」と振り返る。

 実際にどのような言葉を介して、パスを要求したのか。平河が必死に記憶をたどる。

「あまりよく覚えていないですね。確か『翔太!』と呼んだような気がします」

 1万人以上のファン・サポーターが送る歓声が、ゴールへの予感とともにさらに高まったホーム、町田GIONスタジアムのピッチ上で、平河の叫び声はしっかりと藤尾のもとへ届いていた。

 事前の分析で、鹿島の両サイドバックの背後が空く傾向があると選手たちに伝えられていた。データ通りに町田がショートカウンターを発動させた場面では、平河の対面にいるはずの鹿島の右サイドバック、ルーキー濃野公人は味方のパス回しに合わせてポジションを前へ大きく上げていた。

 目の前に大きなスペースがあったからこそ、平河も藤尾へパスを要求した。しかし、ここで想定外の状況が生まれる。すでにスプリントを開始していた平河の前方ではなく、やや後方へパスが来たのだ。

「なので、トラップする瞬間にグッと前へ持ち出す形にしました」

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