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Jリーグ 2か月前

「他にあまりいない」東京ヴェルディ、山田楓喜が抱く左足への絶対的な自信。U-23日本代表でも貴重な“匠の技”【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

FKへの確固たる自信。「続けてきた」作業とは?



「FK練習ではないですけど、毎日のようにシュート練習をしている感覚は残っている。それをそのまま……何て言うんですかね、FKでも同じ感覚で蹴る、という作業はずっと続けてきた。なので、止まっているボールでも動いているボールでも、ああいった球筋は蹴れる自信があります」

 さらに直接FKに関して、まだすべてを出し尽くしていないと大胆に言葉を紡いだ。

「開幕戦のFKとはまた違った球筋やったけど、角度や距離に合わせて、あと何種類かは蹴れますね。でも無回転はどうやろう。蹴れるとは思いますけど、実際に試合で蹴るかどうかはわからないです」

 滋賀県甲賀郡水口町(現・甲賀市)で生まれ育った山田は、小学校5年生から京都サンガF.C.のアカデミーでプレー。中学生年代のU-15、高校生年代のU-18をへて2020年にトップチームへ昇格した。

 しかし、同期のMF川﨑颯太とは対照的に、最初の2シーズンの山田は天皇杯の1試合に出場しただけだった。公式戦に絡み始めたのは3年目の2022シーズン。同年3月のサガン鳥栖とのYBCルヴァンカップ・グループステージ第2戦ではプロ初ゴールを決めて、京都も2-1で勝利している。

 鳥栖戦後の記者会見。2021シーズンから京都を率いる曺貴裁監督は、山田の変化を「大人のサッカーへ向かうスイッチが入った」と笑顔で歓迎している。山田の何がそれまでとは違っていたのか。

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