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Jリーグ 2か月前

「他にあまりいない」東京ヴェルディ、山田楓喜が抱く左足への絶対的な自信。U-23日本代表でも貴重な“匠の技”【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

さらなる成長のため…。期限付き移籍の覚悟

山田楓喜
【写真:Getty Images】



「自分が点を取るとか取らないか、ドリブルで抜けるか抜けないかくらいの興味しか抱いていなかった選手が、チームに対して少し目を向けることで、持っている力が生かされる一例だったと思う。ただ、そのなかでも個性は絶対に軽視してはいけないし、監督の求めるものだけをやっていて上手くなった選手は実際に一人もいない。なので、自分で考えるという部分も含めて、もっと伸びていってほしい」

 曺監督が期待を寄せる山田は、J1リーグで2022シーズンに出場14試合で2ゴール、昨シーズンは17試合で1ゴールをマーク。成長曲線を加速させるために、今シーズンから東京Vへ期限付き移籍した。

 山田は移籍が決まった昨年末に自身のX(旧ツイッター)を更新。投稿のなかで「サンガありがとう。一旦さようならということで」と綴り、新天地・東京Vでの活躍を誓っている。

 もちろんプレーする環境が変わっても、真っ先に視線を向ける対象がチームなのは変わらない。今シーズンで初めて戦うホームの味の素スタジアムで、初勝利を目指した新潟戦では一時は逆転されながら90分に追いつき、試合終了間際の失点で敗れるか、引き分けた過去3戦とは違う粘りをのぞかせた。

「ヴェルディを勝たせるために、この1週間やってきた。それはかなわなかったけど、最後はいままでとは違った勝ち点1やったと思う。この勝ち点を基調として、次はサンガとの対戦で僕は(契約上の理由で)出られませんけど、それでも全員で勝ち点3を取りにいきたい。そのなかで決定力という面で前半は決めなあかんシーンがありましたし、これまでもそうですけど、決定機を決め切らないとやはり難しい試合になる。そこに関してはチーム全員で、見つめ直しながらまたトレーニングしていきたい」

 東京Vに関わる全員が待ち焦がれる初勝利への思いを新たにした山田はいま、染野とともにチームを離れている。大岩剛監督に率いられるU-23日本代表に招集され、U-23マリ代表(22日・サンガスタジアム by KYOCERA)、およびU-23ウクライナ代表(25日・北九州スタジアム)との国際親善試合へ向けて、18日から京都市内で始まった事前合宿に参加しているからだ。

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