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Jリーグ 3週間前

「僕は小さなころから…」湘南ベルマーレ、池田昌生の涙のわけ。救世主になって、大好きな人へ恩返し「いい報告が…」【コラム】

シリーズ:コラム text by 藤江直人 photo by Getty Images

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 明治安田J1リーグの第12節、FC町田ゼルビア対湘南ベルマーレは湘南が1-0で勝利した。決勝点を決めた池田昌生は生粋のおばあちゃん子だった。ずっと面倒を見てくれた存在。いつかヒーローになりたいと思ってプレーしていたこの日、本当にヒーローになれた瞬間思い出したのは、大好きなおばあちゃんだった。(取材・文:藤江直人)

決勝点の直前、池田昌生の脳裏に浮かんだこと

池田昌生
【写真:Getty Images】

 何かに導かれたようなゴールだった。目の前に相手キーパーが迫ってきている。その後方には無人と化した自軍のゴールをカバーしようと、青色のユニフォーム姿の選手が飛び込んできていた。

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 次の瞬間、ノーマークでFC町田ゼルビアのペナルティーエリアの右側へ走り込み、シュートを放つモーションに入った湘南ベルマーレの池田昌生の脳裏に、こんな思いが浮かんだ。

「うわっ、コースがないじゃん」

 敵地・町田GIONスタジアムに乗り込んだ25日のJ1リーグ第12節。両チームともに無得点のまま突入した後半アディショナルタイムが、表示された5分の半分以上が経過したときだった。

 自陣の中央でこぼれ球を拾った町田のドレシェヴィッチが、ボールを前へ運ぼうとする。しかし、間合いを詰めてきた湘南のキャプテン、鈴木章斗の姿を見て自重し、さらに時計回りにターンした。そこへ福田翔生があうんの呼吸で突っかけ、こぼれたボールを鈴木章が拾った。

 すかさずショートカウンターが発動される。ドレシェヴィッチなら大丈夫、という信頼感があったからか。町田が混乱をきたした状況で、ボールを前へ運んだ鈴木章は素早く左前方の福田へパスを送る。
 
 福田の前には岡村大八が回り込んだ。しかし、ペナルティーエリア内とあってアタックできない。福田が選択した右側への横パスは、走り込んできた鈴木章に合わなかった。しかし、鈴木章についてきた町田のキャプテン、昌子源は池田の姿に気がつき、谷晃生に任せて自軍のゴールへのカバーに回った。

 実はドレシェヴィッチがボールを失ったとき、池田はハーフウェイライン付近にいた。カウンターを発動させた鈴木章と福田の背中を見ながら、気がついたときにはフルスピードで2人をフォローしていた。

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