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明治安田J1リーグの第13節、湘南ベルマーレ対アビスパ福岡は0-0の引き分けに終わった。この日、湘南の鈴木淳之介は3バックの中央でプレーした。いつもとは違う不慣れなポジション。それでも、鈴木にはどこか余裕が感じられた。プロ4年目を迎えた21歳は、さまざまなポジションで得た経験を自信に変えている。(取材・文:藤江直人)
ピンチに冷静に対応した鈴木淳之介
絶体絶命のピンチだった。両チームともに無得点で迎えた86分。湘南ベルマーレの攻撃を、アビスパ福岡がペナルティーエリア内で食い止めた直後。福岡のクリアが味方への絶好の縦パスになった。
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自陣の中央でボールを拾ったのは、イラン代表歴をもつシャハブ・ザヘディ。身長187cm体重78kgのサイズを誇るストライカーがすかさず振り向き、乾坤一擲のカウンターを発動させた。
残っていた湘南の選手は鈴木淳之介ただ一人。ドリブルを加速させて迫ってくるザヘディに対して、下がりながらの対応を余儀なくされ、さらにチャンスの匂いを嗅ぎとった福岡の選手たちが左右から一気に駆けあがってくる。自身がザヘディにかわされれば、瞬く間に数的不利の状況が生まれてしまう。
それでも、鈴木は冷静沈着だった。ハーフウェイラインを越えた地点で急停止し、そこからあえて一歩前へ出た意図を、試合後に「狙い通りでした」と振り返った。
「相手がすごくスピードに乗っていたので、ドリブルでボールに触った瞬間に、いつ行こうかとタイミングを計っていました。いいタイミングでうまく触ったところでガチャンとできました」
下がりながらザヘディがボールにタッチするリズムを見極めていた。そして、3度目のタッチでボールが長く転がった隙を見逃さなかった。前へ出た鈴木が、右足で完璧にボールを刈り取った。
さらにザヘディと入れ替わってそのまま前へ。背後からユニフォームを引っ張られながらも、鈴木がカウンター返しを発動させる。ボールロストで頭に血がのぼっていたからか。追走してきたザヘディが背後から突っかける。イエローカード相当のファウルで鈴木を止めるしかなかった。