
元サッカー日本代表で、現在は東京学芸大学で監督を務める岩政大樹【写真:三桂】
史上初めて3か国(アメリカ、カナダ、メキシコ)による共催で行われ、出場チーム数も48チームに増加。総試合数は104試合に上り、過去最大規模の大会となったFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)。40日間にわたる大会は、スペイン代表がアルゼンチン代表を破り、2度目の世界一に輝き、閉幕した。本サイトで大会期間中に特別解説を務めた2010年南アフリカW杯メンバーの岩政大樹氏に、北中米W杯のベストイレブンを選出してもらった。[2/12ページ]
CB:パウ・クバルシ(スペイン代表)

スペイン代表のパウ・クバルシ【写真:Getty Images】
生年月日:2007年1月22日(19歳)
所属クラブ:バルセロナ(スペイン)
北中米W杯成績:8試合0得点0アシスト
【悩み抜いた末に選んだ19歳】
ベストイレブンを選ぶ作業は、岩政氏にとって決して簡単ではなかったようだ。特にディフェンス陣は、フォーメーションをどうするかという段階から思案。
「本当は大会を通して、4バックがフォーカスされたところがあるので、4枚でいきたいんですけどね。ただ、4にすると他のところを削らなきゃいけない。ちょっと難しいなと思いつつ…。このシステムが大会を通して良かったという話ではなく、僕は3枚にしようかなって(笑)」
さらに、岩政氏は今大会を通して改めて感じたという「代表チームにおける守備システムの難しさ」にも言及した。
「3バックが悪いとか、4バックが良いとかっていう話ではなくて、代表チームは準備期間がなくて、細かい状況によるプレー選択を落とし込む時間がないので、結局4-4-2が多いなという印象に毎大会なるんです」
その上で、3センターバックの中央に選んだのが、スペイン代表のパウ・クバルシだった。
【19歳とは思えない完成度】
「年齢のところも含めてクバルシを入れるかなって感じですね」
19歳で迎えた初めてのW杯。それでもクバルシは大会を通して安定したパフォーマンスを披露し、最優秀若手選手賞にも輝いた。
「当然そうでしょうね。19歳であのパフォーマンスを大会通しで維持できるというのは、なかなかだと思いますし」
岩政氏が特に評価したのは、対人能力だけではない。スペインのハイラインを支えたラインコントロールだった。
「バルセロナでかなりやられていることもありますが、その恩恵を代表にも持ち込みながら、ラインをしっかり操作して全体で守備することができる。対人のところもそうですが、スペインを支えたライン設定という面でもクバルシは選びたいなと思います」
【能力だけでは説明できない成熟度】
岩政氏は、クバルシ最大の魅力はプレーそのもの以上に、その成熟度だと語る。
「能力がある10代の選手はいると思うんですけど、あれほど完成されたプレーヤーに19歳でなっているというのは、判断力もそうですし、経験をすることで整理されていくプレーの選択があると思うんですけど、メンタリティも含めて相当成熟しているんだろうなと思います」
さらに、日本の19歳のセンターバックと比較しながら、その異質さをこう表現した。
「普通に見てますけど、日本の19歳のセンターバックってあんなふうにはならないですよ。能力はあっても判断やラインコントロール、連係が拙かったりする。
雑さ、もしくは粗さみたいなところが出るのが若手のプレーヤーですけど、クバルシにはそれが全然ない感じ。どういう選手にこれからなるんだろうなっていう楽しみも含めて(選びました)」