
元サッカー日本代表で、現在は東京学芸大学で監督を務める岩政大樹【写真:三桂】
史上初めて3か国(アメリカ、カナダ、メキシコ)による共催で行われ、出場チーム数も48チームに増加。総試合数は104試合に上り、過去最大規模の大会となったFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)。40日間にわたる大会は、スペイン代表がアルゼンチン代表を破り、2度目の世界一に輝き、閉幕した。本サイトで大会期間中に特別解説を務めた2010年南アフリカW杯メンバーの岩政大樹氏に、北中米W杯のベストイレブンを選出してもらった。[6/12ページ]
MF:デクラン・ライス(イングランド代表)

イングランド代表のデクラン・ライス【写真:Getty Images】
生年月日:1999年1月14日(27歳)
所属クラブ:アーセナル(イングランド)
北中米W杯成績:7試合1得点2アシスト
【勝者のメンタリティを体現した存在】
中盤の2人目に岩政氏が選んだのは、イングランド代表のデクラン・ライスだ。
イングランドは今大会、3位決定戦でフランス代表を下し、3位で大会を終えた。慢性的なハムストリングの神経痛を抱えながらも、復帰後はパフォーマンスを落とすことなく、中盤で存在感を発揮。その姿勢にも岩政氏は強い印象を受けたという。
「ちょっと大会中、1回コンディションを崩したときがありましたけど、最後3位まで持っていったイングランドの中で、やっぱりメンタリティがすごく、チームを引っ張れる。キャラクターも含めて、チームを前に向かせることができるプレースタイルとメンタリティを持っている選手だなっていうのを示したなと思いますね」
球際の強さや推進力、ボール奪取能力だけではない。岩政氏は、ライスが持つ精神的な影響力を高く評価する。
「当然、プレースタイル的にも中盤の真ん中で強度を出すところもそうですし、ボールを受けて推進力を出すところもそうですし、いろんな役割を与えられながらやったと思うんですけど、僕がやっぱり好ましいなと思うのは、その勝者のメンタリティみたいなものを持ち合わせている選手だなということ」
【チームを前に進ませるリーダー】
岩政氏は、代表チームだからこそライスの存在価値が際立つと語る。
「チームの結果が出るって、フットボールのところというよりも、チーム内でいろんなことが起こるので。代表チームは特に、それぞれがいろんな思いを持って集まるけど、みんなそれぞれが王様みたいな集団の中で、プレーのクオリティも高いし、かつメンタリティも備えた選手がそこにいないとチームは成り立っていかないと思うんです。
それをライスに関しては特に持ち合わせた選手になり始めたなっていうのが、今回のアーセナルの優勝から今大会の活躍で感じたところですかね」
慢性的なハムストリングの神経痛を抱えながらも、復帰後はパフォーマンスを落とさず、最後までチームを支え続けた姿にも、そのメンタリティが表れていた。
「今大会も体調不良から途中で入ったりしていると情報が出ているんですけど、その後からのパフォーマンスが落ちないんですよ。最後(の3位決定戦)もメンバーが代わる中で出てくる。たぶん、自分で『行けます』って言ったんだと思いますけど、そういうメンタリティを持った選手なんだろうなって。
いろんな体調とか怪我を抱えながらやらなきゃいけないのがプロサッカー選手だと思いますけど、そのときにパフォーマンスを落とさず、出るだけじゃなくて、チームの意識を高められるようなパフォーマンスを常にできるところは、お手本にすべき選手かなと思います」
プレーの質はもちろん、チームをまとめ上げる人間性も一流。イングランドを3位へ導いた原動力として、ライスは岩政氏のベストイレブンに名を連ねた。