
元サッカー日本代表で、現在は東京学芸大学で監督を務める岩政大樹【写真:三桂】
史上初めて3か国(アメリカ、カナダ、メキシコ)による共催で行われ、出場チーム数も48チームに増加。総試合数は104試合に上り、過去最大規模の大会となったFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)。40日間にわたる大会は、スペイン代表がアルゼンチン代表を破り、2度目の世界一に輝き、閉幕した。本サイトで大会期間中に特別解説を務めた2010年南アフリカW杯メンバーの岩政大樹氏に、北中米W杯のベストイレブンを選出してもらった。[5/12ページ]
MF:グラニト・ジャカ(スイス代表)

スイス代表のグラニト・ジャカ【写真:Getty Images】
生年月日:1992年9月27日(33歳)
所属クラブ:サンダーランド(イングランド)
北中米W杯成績:6試合1得点0アシスト
【躍進したスイスを操った司令塔】
岩政氏が中盤の1人目に選んだのは、スイス代表の主将、グラニト・ジャカだった。
スイスは今大会、堅守を武器に決勝トーナメントを勝ち進み、72年ぶりにベスト8入り。準々決勝ではアルゼンチン代表に敗れたものの、大会屈指の躍進を遂げた。その中心にいたのが、豊富な経験を誇るジャカだった。
「スイスが躍進というか、勝ち上がったところの中心だったということですね。やっぱり、彼がいるチームって、どこも良くなるんですよね」
岩政氏は所属クラブでの実績も引き合いに出しながら、その存在価値を高く評価する。
「レバークーゼンも無敗で優勝したり、その後行ったサンダーランドも彼が入ってすごい良くなって。今またシャビ・アロンソがチェルシーに呼ぶかみたいな話もありますけど、長短のパスを駆使してチームのリズムを作れる選手で、リーダーシップもあるので、スイスのフットボールをまさに指揮官として演出した選手だと思います。
それでチームはベスト8までいったというところが、さっきのヴォジーニャじゃないですけど、1つの今大会のピックアップするべきポイントかなと思います」
【トップレベルのゲームメーカー】
ジャカの真骨頂は、試合全体をコントロールするゲームメイクにある。状況に応じて長短のパスを使い分けながら攻撃のリズムを生み出し、チーム全体を落ち着かせる存在として中盤に君臨した。
目立つプレーばかりではないが、攻守のバランスを整え、味方が力を発揮できる土台を築く。スイスが躍進できた背景には、主将としてのリーダーシップと、ピッチ全体を俯瞰する冷静な判断力があった。
岩政氏は、日本代表の中盤とも比較しながら、その価値を語った。
「日本も鎌田(大地)とか田中碧とか、チームのリズムを作るコンダクターみたいな選手がいると思うんですけど、ジャカはさらにその上を行くっていうか、レベル的に経験値も高いですけど、トップレベルのゲームメーカーだなっていうのを今回も示したと思います」
大会を通じてスイスの攻守を支え、ベスト8進出の原動力となったジャカ。派手な数字以上の存在感を放ち、中盤を託すにふさわしい選手として岩政氏のベストイレブンに名を連ねた。