元サッカー日本代表で、現在は東京学芸大学で監督を務める岩政大樹【写真:三桂】
史上初めて3か国(アメリカ、カナダ、メキシコ)による共催で行われ、出場チーム数も48チームに増加。総試合数は104試合に上り、過去最大規模の大会となったFIFAワールドカップ2026(北中米W杯)。40日間にわたる大会は、スペイン代表がアルゼンチン代表を破り、2度目の世界一に輝き、閉幕した。本サイトで大会期間中に特別解説を務めた2010年南アフリカW杯メンバーの岩政大樹氏に、北中米W杯のベストイレブンを選出してもらった。[1/12ページ]
GK:ヴォジーニャ(カーボベルデ代表)

カーボベルデ代表のヴォジーニャ【写真:Getty Images】
生年月日:1986年6月3日(40歳)
所属クラブ:コロコロ(チリ)
北中米W杯成績:4試合5失点
【「1つの象徴的な出来事だった」】
カーボベルデ代表はワールドカップ(W杯)初出場ながら決勝トーナメント進出という快挙を達成した。その立役者となったのが40歳のゴールキーパー(GK)、ヴォジーニャだった。
グループステージ初戦のスペイン代表戦では27本ものシュートを浴びながら無失点。幾度となくチームの危機を救い、強豪相手に引き分けに持ち込み、初の勝ち点を獲得した。
そんなベテラン守護神を、岩政大樹氏はベストイレブンに選出した。
「ベストっていうと、いろいろ難しいですけど、大会を象徴したという面ではヴォジーニャじゃないですか」
そう切り出した岩政氏はGKにヴォジーニャを選出した理由について、このように語る。
「最終的にはスペインに完封したのも彼だけですし。初戦というのはありながらも、その後もしっかり勝ち上がった。彼自身のパフォーマンスも非常に良かったので、今大会チーム数が増えた中で新しく出場してきた国たちの活躍みたいなところが1つの象徴的な出来事だったと思う。そういう面では彼は入ってしかるべきかなという感じですね」
大会前までは無名の存在だったが、決勝トーナメント1回戦、アルゼンチン代表戦でもリオネル・メッシのシュートを幾度となく止めてみせた。90分間で決着はつかず、延長戦にもつれ込む死闘を演じた。3-2で敗れはしたが、試合後にはチームメイトを鼓舞する姿も印象的だった。
ヴォジーニャが岩政氏の印象に残った理由は、プレーだけではない。40歳にして世界へ羽ばたいた、その歩みもまた今大会を象徴していた。
【新たなスターは若手だけじゃない】
「まだこれまで40歳で、名前があまり、あんまりっていうか、僕は全く聞いたことなかったですし、サッカー界のトップシーンにいたわけではない中で、身体能力的にも相当動ける40歳だったので、かなりトレーニングとかも積まれてるのかなという気がします」
40歳という年齢で世界最高峰の舞台に立ちながら、高いパフォーマンスを見せたヴォジーニャ。その姿は岩政氏に、新たなW杯の可能性を感じさせたという。
「これからチーム数がまた増えたままで行くのであれば、若い選手の新しいスターだけではなくて、こういうパターンもあるんだなっていう。
ベテランになってから日の目を見る選手が出始める可能性は確かにあるなと感じたので、そういう面では若手だけじゃなくて、長く頑張っていくことで生まれる夢みたいなことも新たにW杯で作られる可能性もあるなというところも1つ象徴的な出来事ですよね」
大会前にはおよそ5万人だったインスタグラムのフォロワー数は、3000万近くまで急増。今大会最大級のサプライズを世界中に与えた40歳の守護神は、北中米W杯を象徴する選手の一人となった。