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Jリーグ 8年前

Jリーグ改革初年度の課題と収穫とは? 疑問残る2ステージの意義と微調整のCS

今シーズンから新設されたJリーグチャンピオンシップに、早くも改革のメスが入った。シード順を決める際のプライオリティーに来シーズンから微調整を施すことで、批判が集中した「わかりづらさ」を解消させるためだ。その一方で、依然としてファンやサポーターからの反対意見が根強い2ステージ制に対して、Jリーグの村井満チェアマンは「今後数年間は継続させる」と明言している。

text by 藤江直人 photo by Asuka Kudo / Football Channel , Getty Images

わかりづらかったCSの組み合わせ

1年でCSのレギュレーションを変更したJリーグ。“微調整”は改革の第一歩か
ファーストステージを制した浦和レッズ【写真:Getty Images】

 最大で5クラブが出場してJ1の年間王者を決めるJリーグチャンピオンシップが、来シーズンから大会方式の一部を改正して開催されることが決まった。

 チャンピオンシップに出場できるシード順に微調整を加えることで、ファンやサポーターを困惑させた、組み合わせの決定方法に関するわかりづらさを緩和させるためだ。

 今シーズンから新設されたチャンピオンシップは、まず年間総合勝ち点1位クラブがシードされて決勝へ進出。両ステージの優勝クラブが第2及び第3シードとなり、それぞれのホームに年間総合勝ち点2位及び3位のクラブを迎えて1回戦を行う仕組みになっていた。

 しかし、1回戦の組み合わせを決めるための規定が、条件が多いがゆえに極めて難解となっていた。たとえば、第2シードとなるクラブはこう定められていた。

「年間総合勝ち点が1位ではない両ステージ優勝クラブのうち、年間勝ち点が上位のクラブ」

 今シーズンを振り返ると、セカンドステージ覇者のサンフレッチェ広島が年間総合勝ち点1位クラブとしてまず決勝へシードされた。自動的にファーストステージ覇者の浦和レッズが第2シードとなり、埼玉スタジアムに年間総合勝ち点3位のガンバ大阪を迎えて準決勝を戦った。

 最終的な出場クラブ数が「3」となったのは、ファーストステージを制したレッズが年間総合勝ち点2位、セカンドステージ覇者のサンフレッチェが同1位でそれぞれ重複したためだ。

 レッズの年間総合順位が3位以上で確定した10月24日のセカンドステージ第15節の終了時点で、チャンピオンシップ出場チーム数が「5」となる可能性は消滅した。

 しかしながら、11月22日のセカンドステージ最終節を迎えた段階でも、年間総合勝ち点1位をサンフレッチェとレッズ、セカンドステージ優勝をサンフレッチェと鹿島アントラーズ、年間総合勝ち点3位をFC東京とガンバが争っていた。

 もしアントラーズが逆転でセカンドステージを制していたら、チャンピオンシップはどうなっていたか。出場クラブ数は「4」となり、まずは11月25日にアントラーズとガンバによる1回戦がカシマスタジアムで行われていた。

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