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TV放映権料1位はマンUだが――。データで読むプレミアリーグ、最もコスパの良いクラブは?

text by 鈴木英寿 photo by Kaz Photography

資金を投じて順位を獲得しているシティ&チェルシー

TV放映権料1位はマンUだが――。データで読むプレミアリーグ、最もコスパの良いクラブは?
スウォンジーのミチュ。獲得にかかった移籍金が200万ポンドであることを考えれば、コストパフォーマンスは抜群だ【写真:Kaz Photography】

 こうしてみると、強化部門だけでマンチェスター・シティやチェルシーがいかに巨額の金額を動かしているのかが理解できる。

 この2クラブの場合、ここで強化費として投じた資金の回収は、【1】プレミアリーグでのチーム順位(=リーグからの賞金・放映権収入)【2】チャンピオンズリーグでの順位収入という二つの強化関連収入でまずは補てんすることが義務づけられ(もちろん、FAカップやキャピタル・ワン・カップなどもあるが)、チームの勝利により向上すると見られるチームブランド、そしてグローバルなファンベースの拡大とこれに伴うマーケティング収入アップも期待される。

 チェルシーに次いで、マーケット収支3位(経営的に言えば“ワースト3位”)のサウサンプトンは、今季ここまで8位。手堅い守備戦術で健闘中である。だが、経営的に言えば、40万ポンド(約6870万円)の利益を生み出し、なおかつ9位につけているニューカッスルのほうがやりくり上手ということになる。

 このように、様々なデータを簡単に検証してきたが、シティやチェルシーはやはり「選手にも監督にも資金を投じて順位を獲得している」ことが分かるし、今季のユナイテッドがいかに経営的には期待外れだったかも理解できるだろう。

 実際、米ニューヨーク証券取引所におけるユナイテッドの株価は下落している(モイーズの解任によって再上昇したが…)。一方、スウォンジーやニューカッスルなど順位表の中盤に位置するクラブが、コストパフォーマンスの上では健闘しているということも見て取れた。

 大金を投じて強いチームを作るやり方もあれば、上手な資金繰りでチームを強くしていくやり方もある。ピッチ外でのこうした動きを見ることも、フットボールの楽しみ方の一つかもしれない。

【了】

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