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日本代表 10年前

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度

text by チェーザレ・ポレンギ photo by editorial staff

勝てるチームは守備に基礎を置いている

(2014年3月に開催された日本対ニュージーランド戦の映像を見ながら)

「たとえば2失点目のシーンを見てみましょう。失点につながったクロスが上がる直前に、日本は2回ボールを奪っています。しかし、2回とも無理してボールをつなごうとして、すぐ相手にボールをプレゼントしてしまっています。あまり良い状況判断とは言えないでしょう」

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度
ニュージーランド戦2失点目の場面。ディフェンスが来ていることに気づかずに中央へパスを出してしまい、カットされてしまった。

――文化的な面では、日本のプロサッカーはまだまだ若いこともあり、試合へのアプローチという点である意味攻撃に重点を置いているということはないでしょうか。

「『勝利の文化』がまだ十分には形成されていないかもしれないですね。

――たとえばJリーグの試合が0-0、1-1というスコアで終わったとして、その内容や結果が評価に値するものだったとしても、選手からはたとえば「ゴールが少なくてすみません、残念です」と言ったような声が聞こえてきたりします。

「勝てるチームというのは守備に基礎を置いているものです。リーグ戦で優勝するチームはだいたい失点がリーグ最少か2番目くらいだし、それは日本でも同じだと思います。ベースとなるスタート地点は守備であるべきだと考えています。

 毎試合2失点して、勝つためには3点が必要というような試合をするわけにはいきません。1点も取られなければ、それだけでも最低限の結果は保証されるのですからね」

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