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日本代表 10年前

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度

text by チェーザレ・ポレンギ photo by editorial staff

失点をした途端に前がかかりになる必要はない

――日本代表を例にとってみれば、去年のコンフェデレーションズカップでイタリアから3点を奪いながらも敗れました。ベルギー遠征でも2-2と3-2。ニュージーラン戦では4点を奪いながらも、アマチュア同然の相手に2失点しました。ある意味では日本サッカー全体の意識が代表チームにも反映されていると言えるでしょうか。

「失点をするとすぐに取り戻さなければならないと考えて攻め急いでしまうこともありますが、まだ時間が十分に残っているのであればバランスを整えたり維持したりすることを考えた方が良い場合もあります。

 日本代表の選手たちの多くはヨーロッパでプレーしており、そういった面でも少し成熟しているかもしれないですが、代表レベルでもやはり競争力を高めるためには失点を減らしていかなければならないと思います」

――最初の失点後の対応ということで思い出されるのが、先日FC東京が川崎フロンターレに敗れた試合(2014年3月23日)です。整った布陣で、拮抗した戦いをしていたと思いますが、失点をしてから崩れてしまったと思います。

「0-4という結果なので勝負にならなかったように見えますが、失点を見てみれば、相手に勝利をプレゼントしてしまったようなものです。

 前半の47分に自分たちのCKから信じられないようなゴールを許して試合を決められてしまいました。そういう部分の意識改善に取り組まなければなりません。1分ごとに状況が変わる試合の流れを読み、理解し、(プレーの判断を)変えられなければなりません。

 耐えなければならない時間、苦しまなければならない時間もあります。90分間ずっと相手陣内で戦えると考えるわけにはいきません」

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