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日本代表 10年前

日本代表は“守り切る”守備ができるか? イタリア人監督に聞くディフェンス文化と成熟度

text by チェーザレ・ポレンギ photo by editorial staff

問題はそのポジションでどうプレーするか

――イタリアでは、特に小さなクラブがビッグクラブと対戦する時によくあることですが、1点取られたとしても、前がかりになって取り返しに行くということはしないですよね。待って、待って、守備的な戦いを続けて、同点ゴールを奪えるチャンスを待ちます。

「それが普通ですね。クオリティの高いビッグクラブ相手にスペースを与えたり、裏を取られるチャンスを与えたりするとやられてしまうだけですからね。

 そういう戦術的選択が成果に結びつくこともあれば、そうでないこともあります。ですが負けたとしても1点差で済むかもしれません。

 5分で1失点したからといって、取り返しに行って20分で0-3にされる必要はないし、1点差なら1つのチャンスや相手のミスで追いついて引き分けに持ち込めることもあります」

――先ほども言ったように、どうしても攻撃に意識が向きがちになっている部分はあるかもしれません。原因は中盤にもあると指摘されていましたが、守備的MFの選手の意識も含めて改善の余地がある部分でしょうか。現代のMFは必ず攻守両面の役割を適切にこなすことが求められるものだと思いますが。

「攻撃の選手、守備の選手という区別があるわけではありません。日本では4-4-2とか4-3-1-2といったシステムの話を主にしているような印象があります。メディアとしては話題にしやすい部分なのかもしれませんが、数字はあくまで数字として、理論上のものでしかありません。

 問題はそのポジションでどうプレーするかです。FWの人数が2人でも、長身のCFかもしれないし、小さくて俊敏なタイプかもしれないし、それによって戦い方は変わってきます。もっと柔軟なものです。

 23人の選手がいたとすれば、特徴は全員違うものですからね。選手交代にしても、FWを別のFWに入れ替えるだけでも試合へのアプローチや戦い方を変えることはできると思います」

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